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腎臓・高血圧内科

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抗糸球体基底膜抗体型糸球体腎炎(Goodpasture症候群)

抗糸球体基底膜抗体型糸球体腎炎(Goodpasture症候群)

 急速進行性糸球体腎炎を呈する疾患のうち、抗糸球体基底膜抗体が陽性となる疾患です。肺にも肺胞出血を呈することがあります。腎機能は急激に悪化し、短期間に末期腎不全に至ることが多いです。確定診断には腎生検が必須です。治療は血漿交換療法とステロイド剤を併用します。

症状

 肉眼的血尿を自覚することもあります。急速に腎不全が進行することが多く、乏尿、浮腫を伴うことが多いです。肺障害を合併した場合、血痰、喀血などの肺出血や咳嗽などがみられます。

検査所見

 抗糸球体基底膜抗体が陽性になります。血尿・蛋白尿がでます。肉眼的血尿を認めることもあります。腎障害として、急速進行性糸球体腎炎を呈します。診断時、すでに腎不全が進行していることが多く、透析導入になることも多いです。

診断基準

抗糸球体基底膜抗体型糸球体腎炎とは、組織学的に壊死性半月体形成性糸球体腎炎を呈し、蛍光抗体法で係蹄壁にIgGの線状沈着を認め、血清学的に抗糸球体基底膜抗体が陽性となる腎炎です。

治療(エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群診療ガイドライン2020)

 診断時に透析を要さない症例、あるいは腎生検組織上、半月体形成が広範でない症例、肺出血を伴う症例(Goodpasture 症候群)に対しては、ステロイドパルス療法、免疫抑制薬、血漿交換療法の併用を推奨します。一方、診断時に透析を要するほど腎機能が低下した症例では、腎予後の改善は見込めない場合が多いですが、その場合でも、腎生検による組織評価を行ったうえで治療適応の是非を判断することが望ましいとされています。

最終更新日:2024年01月10日

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