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心臓外科

最新の2つの僧帽弁治療;ミックス手術とロボット手術

最新の治療は、「低侵襲」(患者さんの負担をより軽くすること)で、より安全でよりよい結果を生むことに重点が置かれています。その理想をめざし「ミックス手術」、「ロボット手術」などの新しい治療法が開発されています。

1. ミックス手術

最新の治療の中には定着しつつあるもの、これから保険医療を目指すものがあります。定着しつつある僧帽弁閉鎖不全症に対する最新治療に「低侵襲心臓外科手術」(Minimally invasive cardiac surgery)があります。この英語の頭文字をとってMICS(ミックス)と呼んでいます。

ミックス手術は、胸骨やろっ骨を切ることなく、ろっ骨を上下に広げるようにしてすき間をつくり、そのすき間から、心臓手術するのが特長で、図7のように、右のろっ骨のところを約7cm切開して行います。この手術に必要な人工心肺装置は足の付け根のところの大腿動静脈に接続します。

この方法のメリットは①出血が少ない、②胸骨を切らないので縦隔炎になりにくい、③回復が早く早期退院、早期社会復帰ができる、④傷が見えにくく、美容上優れている、などがあります。

ただし難点(デメリット)もあります。手術する医師の視野(見える範囲)が限られるので、①慣れていないと難しい、②リスクの高い患者さんには向かない、などがあります。ですから、この方法で僧帽弁の手術をする場合は、患者さんとよく話しあったうえで選択します。

国立循環器病研究センターでは2011年の夏ごろから本格的にミックス手術を開始し、慎重に適応を考えながら130例を超える患者さんに行い、良好な成績を得ています。この手術は比較的若い世代で活動性の高い患者さんに向いているといえます。

                       

2. ロボット手術

僧帽弁疾患に対するロボット手術は、2016年4月より製造販売承認を獲得いたしました(保険償還はまだとれていません)。国立循環器病研究センターでは今まで僧帽弁形成術と心房中隔欠損症に対して臨床試験(治験)を進めてきました。

ロボット手術は「ダビンチ」という手術補助ロボットを用います(図3)。

図3 ダビンチ: 手術補助ロボット

ダビンチは3本のアームとカメラがあり、カメラからの情報をもとに3本のアームに接続された鉗子を用いて手術を行います。遠隔操作で手術を行うため、術者はコンソールという装置の中で操作します。

カメラの情報は3Dなので、手術者は手術対象の部位を立体的に見ることができます。また鉗子は非常に繊細に動くので、手術者の手の動きを正確に再現してくれます。ロボットですから、実物以上に拡大してものを見ることも、実際の手よりも細かい動きをすることも可能です。ロボット手術の習熟には長期間の訓練が必要ですが、習熟した暁にはよりよい手術を提供できる可能性を持っています。


最終更新日 2016年07月08日

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