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心臓外科

対象疾患・治療法
左心室形成術 (Surgical ventricular restoration: SVR) とは

左心室形成術 (Surgical ventricular restoration: SVR) とは

左心室内腔は、一度拡大すれば、進行性に拡大し収縮力が下がっていきます。左心室拡大による僧帽弁閉鎖不全を合併してくると心不全はさらに悪化していき、生命予後を著しく悪くします。この状態を改善する方法としては心臓移植術があります。自分の心臓を取り除いて、他人から頂いた心臓を取り付ける手術です。ただし、日本において心臓移植術の適応はかなり厳密に制限されていますので適応になるかどうかは慎重な判断が必要です。また今後は心臓移植術の適応とならない成人患者さんに対する植込型補助人工心臓の植え込み術が治療の選択肢となることがあります。

心臓移植や補助人工心臓植え込み以外の方法では、少しでも生命予後の改善が期待される手術として左室形成術があります。この手術は拡大した左心室内腔を小さくすることで、左心室の収縮力や全身へ血液を送る力の低下を抑え、できればこれらを改善させることを目標としています。ただし慎重な適応判断が必要です。左心室内腔を小さくする術式には、パッチを縫い付ける方法(図11B)、左心室の一部を切り取る方法(図11C)、左心室に切開を加えた後に左心室内腔が小さくなるように再度切開部を縫い付ける方法があります(図11D,E)。多くの場合、僧帽弁形成術と冠動脈バイパス術を同時に行います。


図16 左心室形成術の各術式の図

最終更新日:2021年10月08日

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