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冠疾患科

主な診断・治療法

診断法

  • 心エコー検査・運動負荷試験
  • 心臓MRI(核磁気共鳴法)
  • 冠動脈CT(コンピューター断層撮影)
  • 冠動脈造影
  • 冠動脈内超音波検査・光干渉断層法検査・血管内視鏡検査

治療法

  • 薬物治療(β遮断薬、カルシウム拮抗薬、硝酸薬、抗血小板薬、スタチンなど)
  • 冠動脈インターベンション(風船治療・ステント治療)・機械的循環呼吸補助
  • 心臓リハビリテーション・運動療法

1. 急性心筋梗塞症に対する再灌流療法

急性心筋梗塞は、冠動脈硬化巣(冠動脈プラーク)が破綻し、その破綻部に血栓ができ、冠動脈が完全に詰まった状態になることで起こります。心筋梗塞に対して最も重要な治療は、閉塞した冠動脈を再び開通させる「再灌流療法」を、迅速かつ確実に達成することにあります。

当院では、年間約200例の症例に24時間体制で対応・冠動脈カテーテル治療を実施するとともに、全国の救急システムのモデルとして、移動体通信(携帯電話)を使用したモバイルテレメディシンを導入し、救急車内の心電図や動画などの情報をインターネットでリアルタイムに伝送し、早期の診療開始に効果をあげています。その結果近年、緊急受診数は増加しておりますが、心筋梗塞患者の院内死亡率は年間5%以下と高い救命率を達成し2015年もわずか5%でした。

【図1.当センターでの急性心筋梗塞の院内死亡率年次推移(1978年~2015年)】

グラフ

【図2.急性心筋梗塞の治療例】

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  • a. 前壁の急性心筋梗塞症患者の冠動脈造影である。左前下行枝の中枢に完全閉塞を認める(↓)。
  • b. 血栓吸引カテーテルで閉塞した部分の血栓を取り除いている。
  • c. 血栓が除去され再灌流が得られたが、動脈硬化による狭窄と粥腫破裂の後が残存している。
  • d. ステントを留置し良好に開大され、狭窄の解除と血流の確保が得られて終了した。

2. 循環器救急医療

循環器系疾患の中には、病気が発症したのち一刻も早く治療を開始しなければならない病気が多くあります。治療の遅れによって病状は急激に悪化し、死亡に至る例もあります。例えば、急性心筋梗塞や不安定狭心症をなどの虚血性心疾患、急性心不全、重症肺循環疾患、重症不整脈、急性大動脈疾患などがこのような緊急性の高い病気に該当します。

当センターではこうした緊急的な治療を要する患者様の救命のため、心血管系集中治療室(Cardiovascular Care Unit: CCU)で心臓救急・心臓集中治療に専門特化したチームによる診療を24時間365日体制で行っています。

重篤な循環器疾患の患者様の心臓は、全身へ血液を拍出することが困難となり、いわゆる「ポンプ不全」になります。血圧は低下し、全身の臓器に酸素や栄養が供給されないため、臓器不全に陥り、やがて死に至ります。上記のカテーテル治療や薬物療法で十分な改善が得られない場合は、心臓のポンプ機能を補助する「機械的補助循環」を行う必要があります。代表的なものとして、大動脈内バルーンパンピング(IABP:図3A)や経皮的心肺補助装置(PCPS:図3B)があり、これらの装置はカテーテル室で迅速に挿入することが可能で、薬物療法を併用しながら、心臓の回復をサポートします。

またポンプ不全や心停止によって脳の血流が十分に保たれないことになると、心拍が再開しても脳に後遺症が残ることになります(低酸素脳症)。低酸素脳症のリスクの高い患者様には速やかに低体温療法を行うことで後遺症を減らすことができることがこれまでの世界的な研究でも支持されてきました。当センターでは体外式冷却パッドや経皮的心肺補助装置(PCPS)を用いた低体温療法も心臓の治療と同時に行っています。

【図3A.大動脈バルーンパンピング(IABP)】

機械的補助循環装置の中では比較的簡便に使用可能であり、下行大動脈内に留置したバルーンによって心臓の圧負荷を軽減する。

【図3B.経皮的心肺補助装置(PCPS)】

重度のポンプ不全や心停止に対して、強力に循環補助を行う装置である。通常、脱血管を右大腿静脈より挿入し、右房から脱血を行う。脱血された血液は人工肺で酸素化され、きれいな血液となって体内へ送り返される。送血管は通常は大腿動脈に挿入され、上半身への血流は大動脈を逆流するかたちで血液が送血される。

3. 心血管イメージングとカテーテル治療・薬物療法

冠疾患科では、CT(コンピューター断層撮影)・MRI(核磁気共鳴法)RI(核医学診断)など体の負担の少ない=非侵襲的な心血管イメージング検査を用いて、心血管病の評価を行っています。特にCTによる冠動脈疾患の外来診断(図4)に積極的に取り組み、冠動脈疾患のスクリーニングとしてのCTおよびカテーテル検査総件数は年間2000件前後に達しています(図5)。カテーテル治療(PCI)では、ロータブレーター(カテーテルの先端に小さなダイヤモンドの粒を装着した丸い金属を、非常に高速に回転させることで、石灰化した固い病変を削ることができます)や、薬物溶出性ステント(冠動脈ステントを構成するステンレスの金網の表面に再狭窄を予防する効果のある薬剤をコーティングしたものです)など最先端技術を取り入れるとともに、心血管イメージングや機能検査法を組み合わせて必要な時に必要な血管に対してカテーテル治療を実施しています。また、カテーテル治療後には、薬物治療を組み合わせて動脈硬化危険因子の管理を行い、病気の再発や悪化を予防するように努めています。
また、当院では、冠動脈疾患患者さんに対する冠動脈評価法として従来のカテーテルによる冠動脈造影や近年普及している冠動脈CTのみならず、核磁気共鳴 画像法(MRI)を用いた冠動脈硬化巣の質を評価する画像診断法(冠動脈MRIプラークイメージング)に力を入れています(図5)。被曝もなく、造影剤も全く使わ ない無侵襲な冠動脈MRIプラークイメージングにより将来における心事故発生予測、冠動脈カテーテル治療時における周術期心筋障害の予測、またそれらの予防に役立てています。

【図4.冠動脈CT】

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【図5.カテーテル検査(CAG)・冠動脈カテーテル治療(PCI)・冠動脈CT・冠動脈MRIプラークイメージングの年次推移(2009年~2014年)】

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4. 心臓リハビリテーション

心臓病の患者さんが、低下した体力を回復し、精神的な自信を取り戻して、社会や職場に復帰し、さらに心臓病の再発を予防し、快適で質の良い生活を維持することをめざして、運動療法、患者教育、生活指導、カウンセリングなどの活動プログラム = 「心臓リハビリテーション」を行っています。です。心臓手術後や心不全後など、心臓病の患者さんが、快適で質の良い生活を取り戻すための様々のプログラムを準備しています。

  • 心血管リハビリテーション科のページはこちらをご覧ください
  • 心臓リハビリテーションについての詳細はこちらをご覧ください

最終更新日 2016年07月01日

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