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血管科

対象疾患・治療法
治療に関するトピックス

治療に関するトピックス

腹部大動脈閉塞症に対するカテーテル治療

ステント治療前
ステント治療後

動脈硬化による腹部大動脈閉塞に対する治療は、これまで外科的バイパス術が行われてきましたが、高齢者や重篤な併存疾患があるためにリスクが高い方には他に選択肢がありませんでした。近年のカテーテル治療の進歩により、腹部大動脈閉塞の患者さんもカテーテル治療が行えるようになってきました。80歳代男性、腎動脈分岐した直後の腹部大動脈から腸骨動脈にかけての閉塞を認めます(矢印)。超高齢であること、冠動脈の病気を合併していることなどから外科治療のリスクが高いと判断。カテーテル治療を行い良好な結果を得ることができました。治療前にあった高度な間歇性跛行は消失し、日常生活に復帰されました。(この治療内容は、医学誌JACC Cardiovasc Interv. 2016; 9: 856-858.に掲載されました。)

結合織疾患(遺伝性動脈疾患)の遺伝子診断

結合織疾患(遺伝性動脈疾患)は、血管壁を構成する結合組織や平滑筋のタンパク質をコードする遺伝子上の変異により、血管壁の脆弱化をきたし若年での動脈拡張、解離、破裂を発症する原因となる疾患です。結合織疾患には、Marfan症候群、Loeys-Dietz症候群、血管型Ehlers-Danlos症候群、家族性胸部大動脈瘤・解離などが含まれ、これらはFBN1、TGFBR1、TGFBR2、COL3A1、ACTA2などが原因遺伝子として同定されています。遺伝子診断率はおよそ50%であり、診断結果は患者様の治療や生活指導、難病申請に直接反映されることから、平成28年より保険診療が適用されています(遺伝子診断料が8,000点、遺伝カウンセリング料1000点、 平成30年4月の診療報酬点数改訂後)

国立循環器病研究センターでは上記遺伝子診断を担当する結合織病外来を開設しております。結合織病外来は予約制となっておりますので、かかりつけの医療機関を通じて専門医療連携室へ受診予約をしていただきますようお願い致します。
(患者様からの直接の予約受付は現在行なっておりません)。

また当センターでは他院の患者様の遺伝子診断も積極的にお受けしております。基本的には受診をお勧めしておりますが、遠方である場合や患者様の状態によって当センターを受診できない場合など、血液検体の郵送にて検査を承っております。当センターと紹介元の診療機関の事務担当者間で事前に手続き(遺伝子診断料の保険診療分を請求させて頂きます)をしていただくこととなります。検体郵送での遺伝子診断をご希望の場合にも、診療情報提供書を専門医療連携室の方までFAXにてお送りください。

最終更新日:2021年10月08日

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