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不整脈科

QT短縮症候群

QT短縮症候群(SQTS)は、QT時間の短縮にVFや心房細動(AF)などの頻脈性不整脈を合併する症候群である。QT短縮の定義は、QT時間で280~300ms以下、修正QT(QTc)時間で300~320ms以下とされているが、SQTSの診断には、QTcが330ms以下でVFや心肺停止の既往を認めるか、またはQTcが360ms以下で遺伝子変異を認める必要があると考えられている。

1. 遺伝子型

SQTSでは現在までに5つの原因遺伝子(遺伝子型)が報告されているが、有症候性のSQTSでも遺伝子診断率は低い。いずれの遺伝子型でも、K +電流(IKr、IKs、I K1)が増強、またはICa-Lが減少するため、心室筋APDが短縮しQT時間の短縮をきたす。


表1. QT短縮症候群の原因遺伝子とイオンチャネル機能

表1. QT短縮症候群の原因遺伝子とイオンチャネル機能

2. 治療

SQTSではVFによる致死率が高いために、失神や心肺停止の既往例では、二次予防としてICDが必須治療と考えられる。薬物治療については、 KCNH2 に変異を有するSQT1家系で、キニジンの内服でQT時間が有意に延長し、電気生理学的検査時の心室有効不応期の延長やプログラム心室刺激によるVF誘発の抑制を認めたとの報告がある。当センターでも、クラスⅢ群のニフェカラントやクラスⅠa群のジソピラミドの静注、およびキニジンの内服でQTc時間の延長を認めた症例を経験している(図1)。


図1. QT短縮症候群患者における各種薬物負荷試験

図1. QT短縮症候群患者における各種薬物負荷試験

薬物負荷前の修正QT(QTc)時間は324msと短縮を認める(A)。QTc時間は、クラススⅢ群薬のニフェカラント静注により390msへ(B)、クラスⅠa群のジソピラミド静注により384msへと延長している(C)。


最終更新日 2011年03月27日

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