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臨床すすむ!プロジェクト

1「倫理委員会」って、ホントは何やってるの?

今回の現場の人

森田 秀樹もりた ひでき

◆国立循環器病研究センター
倫理委員会外部委員(市民の立場)

◆株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士

森田さんは、中学生の頃から山に登っていたという、根っからの登山家。

登山ガイドをされていて、今でも月の半分は山に登り、冬は山スキーのガイドをする一方で、夏はホエールウォッチングのツアーガイドもされているとか。

そんな森田さんは、医師でも研究者でもないのに、倫理委員会の委員をされています。

「倫理委員会って、どんなことをしているんだろう?」

森田さんにお話をうかがうことで、その答えに近づくことができそうです。

第7回 判断するための理由

細胞研究など、新しい技術の研究がどんどん進んできていますね。
私、細胞研究の分野で、
倫理委員として結論が出せない問題があるんです。
というと。
例えば、受精卵を材料として作られるES細胞ってありますね。
受精卵は、はじめ単細胞で、
その後分裂を繰り返し、16個になり32個になり、
でも、そのくらいだったらまだ未分化で何にでもなれます。
そうですね。
その段階の受精卵を壊して細胞を取り出し、
移植とか再生医療に使っていくということなんですが、
それは「生命の種」を壊すことになるので
良くないんじゃないかという問題がありますよね。
まさに、倫理の大問題。
そうです。
ただ、この受精卵が分裂を進める中で、
どの瞬間から生命として扱うのか、
いつから、これを人間と呼ぶのか?
私は、「受精した瞬間から生命として扱うべきじゃないのか」
という考えが、根底にあったんです。
確かに、難しい問題です。
ところが、社会全体の流れは
「16個くらいまでは良いんじゃないか」って(笑)。
でも、「その理由は、なんだろう?」って思いませんか?
法律がなくて「じゃあどうする?」となった時に、
「どうやって決めましょうか?」ということになりますよね。
判断するためには、しっかりとした理由が要るということですね。

次回につづきます

分からない言葉はこちらで「臨床すすむの用語解説」

ES細胞
動物の血液・神経・肝臓・膵臓といった全身の細胞を作り出すことができる細胞のこと。Embryonic Stem cell(胚性幹細胞)の略。卵子が受精して分裂を始めたばかりの初期の胚と呼ばれる状態から取り出した細胞を培養して得られます。
再生医療
様々な種類の細胞に変化する幹細胞などを使い、機能障害や欠損が生じた体の組織を再生させようとする技術のこと。

今回の出席者「プロフィール紹介」

臨床すすむ
普段は病院で臨床研究に没頭する熱血医師。その情熱が高じて、治験や臨床研究啓蒙のため東奔西走する現代医療のヒーロー。
森田 秀樹
国立循環器病研究センター倫理委員会外部委員(市民の立場)、株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士。

山本 晴子
国立循環器病研究センター、研究開発基盤センター先進医療・治験推進部所属。脳卒中患者を診ること20年の医師。
土井 香
国立循環器病研究センター
研究開発基盤センター
臨床研究部所属。
看護師経験10ウン年を経て、リサーチナースに。

最終更新日 2014年06月23日

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