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臨床すすむ!プロジェクト

1「倫理委員会」って、ホントは何やってるの?

今回の現場の人

森田 秀樹もりた ひでき

◆国立循環器病研究センター
倫理委員会外部委員(市民の立場)

◆株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士

森田さんは、中学生の頃から山に登っていたという、根っからの登山家。

登山ガイドをされていて、今でも月の半分は山に登り、冬は山スキーのガイドをする一方で、夏はホエールウォッチングのツアーガイドもされているとか。

そんな森田さんは、医師でも研究者でもないのに、倫理委員会の委員をされています。

「倫理委員会って、どんなことをしているんだろう?」

森田さんにお話をうかがうことで、その答えに近づくことができそうです。

第3回 判断する時

ところで、毎月の倫理委員会資料って、すごい量ですよね。
お仕事、お忙しいでしょう。準備は、どうされているんですか?
ホントに、時間は掛かりますね。
私は、委員会の前の一日を、とにかく空けて、準備にあてています。
医療関係の知識は、どこかで身につけたんですか?
特に、ありません。
でも、必要なのは医師の方がお持ちのような基礎知識とは違います。
それぞれの案件対応ですからね。
今はインターネットで、かなり詳しく、何でも分かりますし。
専門家の方がいっぱい出席されている中では、
専門知識がないと、発言しづらくはないですか?
森田さんは、いつも最初に手を挙げて質問されます(笑)!
一同(笑)。
たいてい、最初ですかね(笑)。
これでも、段々と学習してきて、つまらない質問は
しなくなったと思いますが(笑)。
好奇心が勝っちゃうんだ。
倫理って、「法律に照らしたら、こうなんだ」っていうのとは違うと思います。
それは、弁護士さんとか法曹界の方のお仕事なんですね。
臨床研究は、これまでなかったことについて行われます。
まだ法律もできていない新しい領域のことに対して
良いか悪いかを判断する時、何を尺度にするかといえば、
自分の価値観しかないと思うんですよ。
なるほど。
一番、重視しているのは、「不必要な苦しみを受ける人がいないこと」なんです。
臨床研究って、天秤の一方に医学の進歩や薬の開発などが載り、
もう一方に、患者さんの利益・不利益が載るみたいなことだと思うんですよ。
で、私は、「こんなこと、やる意味があるのか」とか、
「同じようなことをやっている研究は、他にないのか」とか、
PubMedや、いろんなデータベースを自分なりに探して、
患者さんが「いわれなき苦しみ」を受けないようにチェックしています。
そこが、森田さんにとっての「倫理委員の役割」ということですね。
そうですね。
判断にあたっては、天秤の上に載るものについて「いろんな」見方をすること。
その「いろんな」を、誰よりも多くの方向から見ていくことが重要だと思います。

次回につづきます

分からない言葉はこちらで「臨床すすむの用語解説」

それぞれの案件対応
倫理委員会が行う審議は医学的に正しいかどうかを判断するのではなく、それぞれの研究において被験者(臨床研究の対象となる患者さんなど)への倫理的配慮と科学的妥当性が確保されているかどうかを判断します。これらはケース・バイ・ケースで柔軟に対応する必要があります。
PubMed
アメリカ国立医学図書館の国立生物工学情報センター(NCBI)が運営する医学・生物学分野の学術文献検索サービス。

今回の出席者「プロフィール紹介」

臨床すすむ
普段は病院で臨床研究に没頭する熱血医師。その情熱が高じて、治験や臨床研究啓蒙のため東奔西走する現代医療のヒーロー。
森田 秀樹
国立循環器病研究センター倫理委員会外部委員(市民の立場)、株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士。

山本 晴子
国立循環器病研究センター、研究開発基盤センター先進医療・治験推進部所属。脳卒中患者を診ること20年の医師。
土井 香
国立循環器病研究センター
研究開発基盤センター
臨床研究部所属。
看護師経験10ウン年を経て、リサーチナースに。

最終更新日 2014年04月28日

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