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臨床すすむ!プロジェクト

1「倫理委員会」って、ホントは何やってるの?

今回の現場の人

森田 秀樹もりた ひでき

◆国立循環器病研究センター
倫理委員会外部委員(市民の立場)

◆株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士

森田さんは、中学生の頃から山に登っていたという、根っからの登山家。

登山ガイドをされていて、今でも月の半分は山に登り、冬は山スキーのガイドをする一方で、夏はホエールウォッチングのツアーガイドもされているとか。

そんな森田さんは、医師でも研究者でもないのに、倫理委員会の委員をされています。

「倫理委員会って、どんなことをしているんだろう?」

森田さんにお話をうかがうことで、その答えに近づくことができそうです。

第2回 きっかけ

一般市民の森田さんが、どうして倫理委員になったんですか?
実は私、先天性疾患を持った子どもがおりまして。
その疾患に関する医療関係者のネットワークがNPO法人になる時に、
役員をさせていただいたんですね。
そこでたいへんお世話になった遺伝子研究の先生から、
お誘いを受けたんです。
「今度、国立循環器病研究センターの倫理委員会委員長になるんだけれど、
どうしても一般市民の委員が必要だから、君、どうだ?」と。
へぇ、そうだったんですね。
京都大学の名誉教授をされていた先生ですね。
森田さんが最古参なので、誰もそのお話、知らなかったんですよ。
その先生は、当時(2000年頃)、
ヒューマンゲノムプロジェクトの国際倫理委員会の副委員長を
されていました。
で、「モーセの十戒」ってあるじゃないですか。
聖書に書かれている10の戒律の話ですか?
ある日の会議で、あれこれ決めていくうちに、
「これはなにか十戒みたいだな」と誰かが言い出した。
それは日本人が持っている価値観とはちょっと違うもので、
しかも、委員会に人類を構成するすべての民族比率が反映されていない。
つまり、アングロサクソンだけの価値観だったんです。
なるほど。
そこで先生は、委員の構成を
人類全体の民族比率が反映されたものに改めさせたうえで、
決めなおしてもらったそうです。
倫理についての価値観は、民族や宗教などによって違いがあります。
一概に「こうだ!」とは言えないですよね。
そういうことを大切にしないと。
私もそのお話、うちの倫理委員会100回記念講演で聞きました。
私も、聞きましたよ。
正しいと思うことを、キチンと主張する先生がそばにいてくださったので、
倫理委員を務めるにあたって、自分自身の価値観みたいなものを常に
アップデートし続けることが、すごく大切だと思うようになったんです。
なんだか、倫理委員の「心得」みたいなものですね。

次回につづきます

分からない言葉はこちらで「臨床すすむの用語解説」

誰もそのお話、知らなかったんですよ。
倫理委員会のメンバーは、委員長を含めて入れ替わっています。森田さんが委員に就任した当時のメンバーは誰も残っていません。(2014年4月現在)
ヒューマンゲノムプロジェクト
ヒト全ゲノムの情報を解読しようとする計画。ゲノムとは、ある生物のもつ全ての遺伝情報のこと。
1980年代後半に議論が始まり、1990年頃から国際協力の下に進められました。2003年には最初のゴールである全ゲノムの構造決定がほぼ終わり、本格的なゲノム研究時代に突入する端緒となりました。

今回の出席者「プロフィール紹介」

臨床すすむ
普段は病院で臨床研究に没頭する熱血医師。その情熱が高じて、治験や臨床研究啓蒙のため東奔西走する現代医療のヒーロー。
森田 秀樹
国立循環器病研究センター倫理委員会外部委員(市民の立場)、株式会社森田企画 代表取締役/登山ガイド/気象予報士。

山本 晴子
国立循環器病研究センター、研究開発基盤センター先進医療・治験推進部所属。脳卒中患者を診ること20年の医師。
土井 香
国立循環器病研究センター
研究開発基盤センター
臨床研究部所属。
看護師経験10ウン年を経て、リサーチナースに。

最終更新日 2014年04月14日

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