平成27年度 国立循環器病研究センタ- 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 895 311 438 773 896 1021 2037 3002 1884 229
当センターは最高レベルの医学を目指し、予防、診断、治療法の開発、成因、病態の解明から専門技術者の養成まで、病院、研究所、研究開発基盤センター、管理部門が一致団結して、成人、小児の心臓病、血管病および脳卒中などに、代表される循環器病対策を総合的に推し進めています。
平成27年度の全退院患者数は11,486人で、高齢化社会を背景に循環器病疾患の有病率が増加していることから、 最も多い年齢層は70歳~79歳で、全体の26.1%となっています。
また0歳~9歳の年齢層についても7.8%を占めており、0歳児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんに対応できる機能を有しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
不整脈科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション) 445 6.71 5.68 0.00 60.02
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー移植術等 193 10.94 11.76 2.59 72.65
050070xx99000x 頻脈性不整脈 薬剤治療等 186 7.11 7.26 1.08 65.74
不整脈科の症例で最も多いのはカテーテルアブレーション治療です。特に最近は3次元マッピングシステムを用いたアブレーションや、心不全に対する再同期療法などの先進的な治療を行っています。また、QT延長症候群、ブルガダ症候群などの遺伝性不整脈疾患の遺伝子解析は国際的にも評価の高いものであり、基礎・臨床研究も精力的に行い、国際的に情報発信を行っています。
肺循環科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
04026xxx9913xx 肺高血圧性疾患 カテーテル検査 116 19.53 15.63 0.00 60.27
04026xxx01x3xx 肺高血圧性疾患 経皮的肺動脈形成術等 104 14.51 15.54 0.96 68.02
04026xxx9910xx 肺高血圧性疾患 カテーテル検査・薬剤治療等 94 11.71 5.86 0.00 63.45
肺高血圧症に対する検査、治療のための入院が主です。肺高血圧症は厚生労働省の指定難病で、当院は全国有数の肺高血圧症の専門治療施設です。長い歴史と400例以上の肺動脈性肺高血圧症(先天性心疾患関連肺動脈性肺高血圧 250例を除く)を診療し、全国有数の経験をもとに非常に良い成績を上げています。また研究所や臨床病理部と共に遺伝子などの病気の発症するメカニズムに関する研究も行われており、最先端の診断、治療が行えるよう努力しています。
心不全科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx9910xx 弁膜症に対するカテーテル検査 219 10.55 5.62 2.74 69.51
050130xx99000x 心不全の治療 92 17.04 18.30 5.43 77.25
050060xx9910xx 心筋症(拡張型心筋症を含む)に対するカテーテル検査 60 11.13 7.50 1.67 58.43
心不全科では、心筋症・心不全の原因を調べるための検査入院、弁膜症の手術前検査入院などを担当しています。高齢化社会の進行とともに大動脈弁狭窄症や慢性心不全患者数は年々増加しており、入院患者の多くを占めています。また、原因不明の心筋症に関しては、若年者も含め全国より患者が紹介されており、各種検査を用いて確定診断を行っています。
冠疾患科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 カテーテル検査 276 4.52 3.07 0.00 68.46
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 カテーテル治療(PCI等) 129 7.22 4.87 0.00 70.47
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 カテーテル検査(超音波検査有り) 98 4.44 3.22 0.00 72.02
冠疾患科の症例で最も多いのは狭心症のカテーテル検査で次に多いのは、狭心症のカテーテル治療入院です。冠疾患科では狭心症に対する的確な診断と高度な治療を行っています。 症状が急激に起きた場合の緊急治療から原因となる動脈硬化に対する継続的治療まで、一貫して最高レベルの技術・最新の医学的知識・豊富な臨床経験を駆使して対応します。
血管科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 血管拡張術・血栓除去術 94 8.12 5.99 3.19 71.50
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 血管拡張術・血栓除去術 (足潰瘍等を伴う場合) 38 14.39 13.13 15.79 67.84
050170xx99000x 閉塞性動脈疾患 検査 24 7.67 8.84 0.00 67.50
動脈硬化は、心臓の冠動脈をはじめ下肢動脈、腎動脈、頸動脈、鎖骨下動脈など全身の主要な動脈に及びます。血管科では全身の動脈硬化性疾患を包括的に管理治療していくことを実践し患者さんに負担の少ないエコー、CT、MRなどの画像診断と血流測定機器を駆使し血管疾患の迅速かつ正確に診断できる体制を整えています。内科的治療を基本とし、より積極的な治療が必要な場合には低侵襲なカテーテル治療等を行なっています。
心内CCU
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 178 5.55 4.87 1.12 69.50
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 カテーテル検査 64 5.89 3.07 0.00 72.08
050030xx97000x 急性心筋梗塞等 冠動脈形成術等 47 10.89 13.26 2.13 70.15
※ 冠疾患科の解説をご参照ください。
重症心不全・移植
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050060xx9910xx 心筋症(拡張型心筋症を含む) カテーテル検査 100 5.10 7.50 0.00 39.22
050060xx9700xx 心筋症(拡張型心筋症を含む) 埋込型補助人工心臓 54 13.91 15.30 0.00 43.87
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 カテーテル検査 42 5.07 3.22 0.00 39.71
移植医療部門では循環器内科医師が中心となり、従来の治療法では救命困難な急性重症心不全例(劇症型心筋炎などの心原性ショック症例等)に対する左室補助人工心臓といった機械的補助循環を用いた心不全集学的治療や、拡張型心筋症や心筋梗塞後の慢性重症心不全症例に対する植込み型左室補助人工心臓、心臓移植治療を含めた集学的治療を行なっています。重症心不全患者のQOLをさらに向上させるために、在宅管理システムの構築、さらには復職・復学を目標とした介護者のトレーニングシステムも行っています。また拡張型心筋症や心臓移植後は定期的な検査が必要なため心臓カテーテル検査を含む入院が上位を占めています。
脳外
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 脳動脈瘤の検査 194 4.04 3.15 1.03 61.87
010070xx99120x もやもや病・脳動脈閉塞・狭窄症等のカテ-テル検査 98 6.23 5.34 1.02 36.85
010070xx99020x もやもや病・脳動脈狭窄症等の画像診断検査 96 5.66 5.67 1.04 49.80
脳神経外科では、緊急脳神経外科手術及び血管内治療を24時間体制で行っており、脳血管内科・脳神経内科と連携して急性期脳卒中診療も行っております。
多い症例は、他施設から紹介される脳動脈瘤の検査、もやもや病等の脳血管障害のカテ-テル・画像診断検査となっております。
脳血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 薬剤治療 167 17.01 18.08 40.72 75.51
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) リハビリ、経過観察 99 11.46 15.80 17.17 71.55
010070xx99020x もやもや病・脳動脈狭窄症等の画像診断検査 84 6.06 5.67 0.00 72.58
脳血管内科・脳神経内科では、脳卒中ケアユニット(SCU)での集約的な急性期内科治療を行っております。
tPA静注療法を始めとする急性期の内科治療や、脳血管障害の超音波検査や画像検査などの診断法の確立に、全国の中心施設として貢献してきました。
多い症例は、脳梗塞の症状を改善する薬物治療、リハビリ、食事療法で、もやもや病や脳血管障害の画像診断検査となっております。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 薬剤治療 70 15.94 18.08 28.57 73.67
010060x099000x 脳梗塞(JCS10未満) リハビリ、経過観察 63 12.71 15.80 23.81 71.10
010070xx99020x もやもや病・脳動脈狭窄症等の画像診断検査 46 8.54 5.67 0.00 71.70
※ 脳血管内科の解説をご参照ください。
小児
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)カテーテル検査 192 10.68 4.52 0.52 13.03
14031xx09900xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)検査、治療入院 90 13.07 7.46 1.11 13.39
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症の手術 79 9.00 6.50 1.27 22.47
小児循環器科では、生まれつき心臓の構造に病気のある先天性心疾患患者さんの診断と治療を中心として、学校検診で見つかる不整脈、心筋疾患、肺高血圧、川崎病冠動脈障害、慢性心不全患者さんの診断と治療など、広い範囲の診療内容を担当しております。
また患者さんの年齢も、胎児から新生児、乳幼児、学童、そして成人に達した患者さんまで、幅広い年齢層の方々を担当しております。
周産期
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 新生児、妊娠期間短縮、低出生時体重児(出生時体重2500g以上)検査、治療入院 118 8.96 6.17 1.69 0.57
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物 検査、分娩入院 92 10.58 6.56 2.17 31.97
120270xx97x0xx 分娩時心臓合併症 39 16.77 9.05 0.00 33.03
周産期・婦人科部では年間約300例の分娩を取り扱っています。センターの特性を生かした妊娠・分娩管理をその中心に据えています。
具体的には次の3つを診療の柱としています。
①心疾患を持つお母さんの妊娠・分娩管理
②脳血管疾患を持つお母さんの妊娠・分娩管理
③赤ちゃんに心疾患があるお母さんの妊娠・分娩管理です。
医学的アドバイスを十分理解していただき、本人の希望、家族の意志を尊重し、他科との協力の元、集約的な管理を行っています。
また、産後フォローまでの周産期管理を行っているため、低出産体重で生まれた新生児等の出生後の検査、経過観察入院の件数も多くなっています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤に対する手術 90 30.77 29.80 13.33 63.53
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤(胸部)に対する大動脈瘤切除等 67 42.93 32.27 16.42 71.87
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤(腹部)に対する大動脈瘤切除等 60 20.65 22.62 1.67 72.23
血管外科では大動脈、肺動脈、および末梢血管の疾患の治療を行っています。
大血管を中心に血管疾患の外科治療を担当しています。急性大動脈解離や大動脈瘤破裂などの急性大動脈症候群にも昼夜をとわず24時間体制で積極的に対応。直達開胸手術だけではなく、低侵襲なステントグラフト治療も高齢者や手術リスクが高い患者さんにおこなっています。当センター開設以来胸部大動脈手術は3500件、腹部大動脈手術は2500件を超えており、スタッフ全員が心臓血管外科専門医であるため大動脈疾患以外にも冠動脈疾患、弁膜疾患の合併にも十分対応できます。
心外成人
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症に対する弁置換術等 171 16.09 25.69 3.51 65.95
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患に対するバイパス術等 65 18.66 23.57 3.08 67.52
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術等 16 18.63 32.27 0.00 68.69
成人心臓外科部門では虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈、慢性心不全などを扱っています。DPC症例としては、多い順に
①弁膜症に対する弁置換術等 171件
②狭心症、慢性虚血性心疾患に対するバイパス術等 65件
③非破裂性大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術等 16件となっております。
また緊急治療を要するものは、ICU・CCUとの連携のもと24時間受け入れ態勢をとっています。最重症例に対しても積極的に手術を施行し、治療目的として単なる延命ではなく、生活の質(QOL)向上が第一義と考えています。
高血圧・腎臓
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100180xx99000x 原発性アルドステロン症等の検査 40 4.90 6.55 0.00 65.38
110280xx99000x 慢性腎炎症候群等の検査 32 12.94 13.64 0.00 72.44
050140xx99x00x 高血圧性疾患等の検査 28 8.96 9.20 0.00 64.07
原発性アルドステロン症および慢性腎炎症候群の診断に関しては、「原発性アルドステロン症診断4日間」および「腎生検4日間のクリニカルパス」を用いています。慢性糸球体腎炎について、頻度の高いIgA腎症の場合、「IgA腎症ステロイドパルス治療クリニカルパス17日間」を用い、抗免疫治療を行わない場合、「腎炎・腎不全教育入院9日間クリニカルパス」を用いて入院加療を行っています。また、高血圧性疾患の検査入院には多くの場合、「高血圧教育入院7日間のクリニカルパス」を用いています。高血圧・腎臓科ではこれらのクリニカルパスを利用することで入院期間短縮、診断や治療方法の標準化を進めています。
糖尿・代謝
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病の血糖コントロール及び教育 133 15.53 15.35 0.75 69.58
100120xxxxxxxx 肥満症の教育 11 25.55 20.84 0.00 53.45
100060xxxxxxxx 1型糖尿病の検査 - - 14.30 - -
糖尿病内科の症例で最も多いのは、糖尿病教育入院です。最新の医学的知見に立脚してこれらの病気に対する専門的な治療を行い、合併症を予防することを目標にしています。循環器病疾患制圧のために病院の他の臨床部門、予防検診部、研究所などと連携して生活習慣病の病態理解とその克服を目指しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 第7版
大腸癌 - - - - - - 1 第7版
乳癌 - - - - - - 1 第7版
肺癌 - - - - - 42 1 第7版
肝癌 - - - - - - 1 第7版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
初発患者はUICC-TNM分類から示される病期分類による患者数、再発患者は再発だけでなく、初回治療(がんと診断され初めに計画された一連の治療)後に転移と診断された患者数も含まれます。10人未満の数値は-で表示しております。
解説
がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、 Stage0からStageIVまであり、StageIVは最も進行しているがんです。
当院の症例は遠隔転移を認める stage IV が多くなっております。
これは当院がガンマナイフ(定位放射線治療)を有し、転移性脳腫瘍の症例を近隣の医療機関、 がん診療拠点病院から受け入れ、密接な連携を保ち、積極的に診療していることによります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 - 9.2 53.3
重症度 1 - 21.1 63.0
重症度 2 18 20.6 77.2
重症度 3 13 16.2 79.9
重症度 4 - 26.3 81.3
重症度 5 - - -
不明 - - -
○定義
成人の市中肺炎の患者で、入院契機病名及び最も医療資源を投入し傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎もの。
インフルエンザ等、ウイルス肺炎、誤嚥性肺炎は除外する。
肺炎の重症度をAーDROPを使用して分類しています。
AーDROP:以下の項目のうち入院時(入院中に発生した場合は発症時)の状態に該当する項目の数
 ・男性70歳以上、女性75歳以上
 ・BUN21 mg/dL 以上または脱水あり
 ・SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
 ・意識障害あり
 ・血圧(収縮期) 90mmHg以下
0~1 軽症 2 重症 3 中等度 4~5 超重症
○特徴
当院は循環器病の高度専門病院のため、軽症の場合でも循環器疾患の既往があり重症化を危惧され入院となるケースがあります。
市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることが分かります。
なお、この指標には表されておりませんが、重症および超重症の患者様の7割以上が救急搬送によって搬送されています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 72 9.69 70.56 1.39
その他 58 8.00 68.84 3.45
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 646 22.10 74.23 42.11
その他 178 15.02 68.82 23.60
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 23 14.39 72.04 8.70
その他 271 8.95 72.17 0.74
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - 13.25 67.63 -
その他 71 8.44 55.59 -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - 12.17 27.17 16.67
その他 178 8.63 28.87 -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞のICD10=国際疾病分類別患者数

本格的な脳卒中ケアユニット(SCU)を国内ではじめて立ち上げ、24時間365日体制で急性期脳卒中患者さんを断らずに受け入れています。脳神経外科と良好に連携し、外科手術が必要な場合は遅れることなく外科治療を受けられます。急性期 診療に引き続き、近隣の医療機関に転院して回復期機能訓練を滞らずに受けられるよう、地域医療連携を推進しています。
脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳内・脳外動脈の狭窄及び閉塞、もやもや病など全国から紹介され多数の患者さんを診療しております。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
不整脈科(A)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 315 2.21 4.15 0.95 62.70
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 149 2.68 4.00 0.00 54.38
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 122 6.61 7.77 4.10 76.43
不整脈科部門の手術件数は、多い順に、①経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの);315件、②経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの);149件、③ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合);122件 となっております。
経皮的カテーテル心筋焼灼術(アブレーション)は心臓に入れた細い管(カテーテル)の先から高周波を流し、心筋の一部に熱を加えて火傷させ、不整脈の原因をなくしてしまう治療法です。心臓の形態をリアルタイムに表示する最新の3次元マッピング装置や、高い安全性と効果を実現したイリゲーションカテーテルなど、医療技術の進歩により実用可能となった最新の機器を用いてアブレーション治療を行っています。
肺循環科(B)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K570-3 経皮的肺動脈形成術 184 5.95 6.74 1.09 67.10
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 22 4.14 8.64 0.00 59.32
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 10 5.60 7.50 0.00 50.40
最も多い手術は経皮的肺動脈形成術で肺高血圧症に対するカテーテル治療です。全国から全国有数の肺高血圧症専門治療施設である当院で治療を受けられています。2番に多い手術は経皮的心房中隔欠損閉鎖術で心房中隔欠損症に対するカテーテル治療です。成人先天性心疾患の患者さんは心臓だけでなく肺血管にも異常を持つ場合があり、また肺高血圧症を合併することもあります。そこで肺循環科では小児循環器科、小児心臓外科と連携して診断、治療を行なっています。
心不全科(C)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K599-3 両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術 17 10.47 19.29 0.00 62.47
心不全科は、弁膜症や慢性心不全の検査入院や急性心不全に対する薬物治療のための入院が多いため、手術件数は少なく、両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術の多くは、不整脈科に入院して行われています。17件はそのうち、心不全科入院中に、不整脈科で手術が行われた症例を意味しています。
冠疾患科(D)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 139 4.71 4.99 0.72 72.47
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 48 0.02 18.17 0.00 66.96
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 28 0.00 18.54 7.14 68.96
経皮的冠動脈ステント留置術等のカテーテル治療(PCI)では、ロータブレーター(カテーテルの先端に小さなダイヤモンドの粒を装着した丸い金属を、非常に高速に回転させることで、石灰化した固い病変を削ることができます)や、薬物溶出性ステント(冠動脈ステントを構成するステンレスの金網の表面に再狭窄を予防する効果のある薬剤をコーティングしたものです)など最先端技術を取り入れるとともに、心血管イメージングや機能検査法を組み合わせて必要な時に必要な血管に対してカテーテル治療を実施しています。
血管科(E)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 147 4.10 6.37 8.84 71.18
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 12 1.00 3.67 0.00 74.00
下肢閉塞性動脈硬化症、重症虚血肢、バージャー病等症例に対する「四肢の血管拡張術、血栓除去術」が上位を占めています。血行再建(カテーテル治療等)が必要な患者さんかどうかを見極めて治療方針を決定。内科的治療が基本ですが、当院では重症の患者様が多く来院されるため年間200-300例のカテーテル治療を行い、困難なケースを含めても90%以上の手術成功を収めています。
心内CCU
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 133 2.32 3.02 0.75 68.15
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 48 0.00 10.00 2.08 74.33
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 27 0.00 13.93 3.70 68.70
※ 冠疾患科の手術解説をご参照ください。
重症心不全・移植
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K604-24 植込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降(1日につき)) 89 3.90 18.54 0.00 44.28
特発性拡張型心筋症や重症心不全症例に対し植え込型補助人工心臓手術をおこなった後、心機能評価や合併症の加療を行うために再度入院した場合の植え込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降(1日につき))が手術項目としてあがっています。植込み型補助人工心臓装着患者を外来で加療すれば、1月につき管理料を算定できます。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5602 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(弓部大動脈) 86 5.15 31.57 16.28 71.08
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 67 4.49 9.85 8.96 74.96
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 46 5.96 16.72 17.39 76.41
大動脈瘤や大動脈解離に対する手術が最も多く、開胸や開腹による大動脈瘤切除・人工血管置換術やステントグラフト内挿術を病状に合わせて適応しています。
急性大動脈解離、胸部大動脈瘤に対して行われる大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(弓部大動脈)が上位を占めています。86件のうち救急医療入院でおこなわれた症例は42件あります。また低侵襲なステントグラフト治療も腹部大動脈、胸部大動脈の順に多くおこなっています。
脳外
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 78 1.55 28.77 20.51 62.77
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 66 4.52 23.05 9.09 34.14
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 66 1.83 10.15 16.67 76.71
脳神経外科では、未破裂脳動脈瘤のクリッピング(1箇所)、もやもや病等へのバイパス手術、外傷性慢性硬膜下血腫等への慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が、手術件数は多くなります。
この他にも、脳血管内治療(コイル塞栓術)、ステント留置、脳出血の血腫除去やドレナ-ジ、頭蓋骨形成、脳腫瘍等の手術を最高水準で行っております。
脳血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 22 0.18 21.68 40.91 74.05
脳神経内科・脳血管内科では、脳血栓をカテ-テルを用いて回収する手術(血管内治療)、狭窄部にステントを留置し広げる治療を多く行っております。
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 26 0.00 27.35 80.77 79.19
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 12 4.67 9.92 0.00 73.58
※ 脳血管内科の手術解説をご参照ください。
小児
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K570-3 経皮的肺動脈形成術 62 8.39 12.39 1.61 4.15
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 48 2.96 4.79 0.00 24.60
K5621 動脈管開存症手術(経皮的動脈管開存閉鎖術) 28 2.36 3.61 3.57 24.04
心臓病のお子さま達に低侵襲な診断・治療法で行うことも大切な課題です。現在では、カテーテル治療数は年間約250例と国内最多の実績があります。とくに心房中隔欠損のカテーテル治療では、全国で最初に導入した施設の一つとして、現在も指導的な役割を果たし続けています。
また、フォンタン手術も開設以来積極的に取り組んできた治療で、累計400例以上の実績があり、20年以上にわたる長期のフォローアップをしています。当センターでは、世界的にも珍しい人工心肺を使わないフォンタン手術を取り入れています。
周産期
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 51 9.31 8.94 0.00 34.22
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 45 11.00 9.42 4.44 33.96
K893 吸引娩出術 42 7.55 7.14 4.76 33.36
予定での反復帝王切開、自然分娩がハイリスクな患者様の分娩、分娩時異常に対する帝王切開術(緊急)等の対応を行える体制を整えています。
心外成人
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 107 4.14 13.10 8.41 68.68
K5551 弁置換術(1弁のもの) 86 5.85 12.66 3.49 66.53
K555-2 経皮的大動脈弁置換術 50 2.96 8.46 6.00 83.62
成人心臓外科部門の手術件数は、多い順に、①冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 107件、②弁置換術(1弁のもの) 86件、③経皮的大動脈弁置換術 50件となっております。 虚血性心疾患に関しては、心臓を止めず人工心肺を用いない心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)を標準術式としています。人工心肺を使わないこ とによ り、脳梗塞、腎不全等の合併症、輸血率が低い手術が可能となりました。グラフトは両側内胸動脈、橈骨動脈などを用いた完全血行再建を基本方針としています。 経皮的大動脈弁置換術は、通常、胸骨正中切開や人工心肺使用下の心停止状態を必要としないため、通常の大動脈弁置換術に比べて手術ダメージがかなり低く、手術後の早期日常生活復帰を可能にします。
高・腎
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) 16 2.63 8.44 0.00 69.75
経皮的腎血管拡張術による腎血管性高血圧の治療はクリニカルパスを用いることで入院期間の短縮と治療の標準化を進めています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - 0.04
異なる - 0.03
180010 敗血症 同一 17 0.15
異なる 15 0.13
180035 その他の真菌感染症 同一 - 0.00
異なる - 0.01
180040 手術・処置等の合併症 同一 66 0.57
異なる - 0.01
入院契機の同一・異なるとは、入院するきっかけとなった病名と、入院期間の主な治療が同一か異なるかを区別しております。

『手術・処置等の合併症』は、人工的な挿入物の感染(ペースメーカ-植込み等)があります。
合併症・創部の感染症の発生率は1%未満となっております。

更新履歴
2016/09/30
平成27年度病院指標公開
2017/03/27
解説更新

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