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田中 美千裕(たなか みちひろ)

“勇気・希望・出会い”

田中 美千裕(たなか みちひろ)

医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 脳神経外科
田中 美千裕

レジデントの大事な仕事は今も昔も、病棟管理、救急当番、患者搬送、カンファの準備、PETや脳血管撮影、そして手術の助手。そんな合間にラットで吻合の練習をしていたら、ある時、橋本先生が来られて“剥離一つにしても、術野を作る大事なステップだよ”と鮮やかにラットの前交通動脈を実験用の小さなマイクロ下に露出して実践して見せてくれた。ある日、病棟で気管切開に手間取っていたら、“たかが気切と思わず、気切には切開、剥離、止血という外科の重要な要素が全て入っていて、一つ一つのステップを大事にすれば、ガーゼ1枚で十分安全に手技が終わるものだよ”と教えてくれた。手術が上手と言われる人は沢山いるが、それを他人に伝える技術を持つ先生は少ない。30代女性のAVM、脳神経外科手術の中で最も困難なものの一つだが、30時間に及ぶ顕微鏡手術中、橋本先生は助手の私にもその技術と情熱を実践して見せてくれた。自分もいつの日かAVMを治療できる医師になりたいと切望した。今日、血管内手術というアプロー チは異なるが、自分が術者となり、指導医の立場となって困難な症例にぶつかった時、橋本先生ならいったいどう立ち向かうだろうか、どのように後輩を指導するだろうかと自問する。
センターのレジデント経験を通じて得た財産とは、一体何だろう?技術を学んだり、学会発表することよりずっと大切なことがある。それはやはり素晴らしき恩師と仲間に出会えたこと、これに尽きるのではないだろうか。
現レジデントの皆さんへ、ぜひ多くの失敗をしてください。多くの恥をかいてください。失敗すればするほど、恥をかけばかくほど、良き恩師や友人に恵まれます。そして5年後、10年後それらのすべてが財産になると思う。若いときのhungryでfoolish な気持ちと経験、これは一生の財産になると思います。

最終更新日 2012年05月17日

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