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福嶌 五月(ふくしま さつき)

心臓血管外科とサイエンス

福嶌 五月(ふくしま さつき)

大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科
助教 福嶌 五月

私は卒後6年目から8年目までの3年間を国立循環器病研究センター心臓血管外科レジデントとして濃密な臨床研修生活を過ごしました。日々の心臓血管外科診療を行う中で、様々な臨床的疑問点にぶつかりました。教科書や論文、上級医や同僚に解決してもらった疑問点もありましたが、満足がいくまで解決するためには、「サイエンス」が必要であり、そのために自分には三つの極めて基礎的なことが欠落していると感じました。一つ目は「基礎医学の知識」でした。例えば、「何故、動脈グラフトが静脈グラフトより優れているのか?」という疑問に対する答えを引き出すには、動脈あるいは静脈とは何かというところから始めなければなりません。ただし、基礎医学分野の進歩はめまぐるしく、論文あるいは学会で公表される最新の知見を理解しながら答えを見つけなければなりません。そこでもう一つ私に欠落しているものは、「研究論文の理解力」でした。基礎、臨床にかかわらず研究論文を読み的確に理解する能力を身につけることは、日々進歩を続ける心臓血管外科の医師になるためには極めて重要であると思いました。三つ目は「英語力」です。重要な最新の知見はほとんど英語で公表されます。学会では、海外の一流外科医の講演をほとんど理解することが出来ず大変悔しい思いをしました。そこで、私は外科医として次のステージに進む前に、もう一度基礎に戻ってこの三つのトレーニングをする決断をしました。
レジデントを卒業してから、私は英国、豪州と7年弱の間、海外を渡り歩いて、2年前より現職についております。レジデントデーでは、若輩ながら発表の機会をいただきました。発表のキーワードは「サイエンス」であります。皆様の心に残るような話をさせていただければと思います。

最終更新日 2012年05月29日

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