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川口 昌彦(かわぐち まさひこ)

麻酔科医の醍醐味

奈良県立医科大学 麻酔科学教室 川口 昌彦

麻酔科医の仕事は、手術麻酔、集中治療、ペインクリニック、救急医学、緩和医療など多岐にわたります。そのそれぞれの領域で、基礎及び臨床研究があり、とうていすべてをこなすことができません。尽きることのない興味の対象が広がっています。その中でも、心臓血管や中枢神経系は特に患者さまの予後と直結する重要な領域であり、日々の臨床とその研究にたずさわればこの上ない喜びが感じられます。私は1988年に大学を卒業し、大学で3年間の臨床研修を行った後、1991年から国立循環器病センター麻酔科にレジデントとして勉強させていただきました。毎日が面白い症例にあふれており、最先端の治療にたずさわれることが非常に貴重な経験でした。また、多くの仲間と出会い、その後の麻酔科医としての全国的な交流の大きな基礎をつくっていただきました。しかし、私がもっとも感銘をうけたのは、当時の病院長である川島康生先生が、まずレジデントに言った言葉 "現在の医療を学ぶのではなく、学び方を学びなさい" でした。最先端の医療も10年後には古いものとなってしまいます。いかなる状況でも、学び続けることができる医師になることが重要だと思います。重要なことは、施設や上司、仲間が関係するのではなく、何かを拾い上げてつきつめて行くという自分自身の中にあるということです。最先端へ行けばもう誰も教えてくれないのです。そして、論理的に物事を考え、フェアに臨床を行うためにもリサーチマインドが必須になってきます。リサーチマインドなくして有能な医師になることはできません。私が留学中の恩師の John C. Drummond から教わった言葉は、"Harder you work, Luckier you get!" でした。何かをやってもやっても、何をしているんだろうと、ふと我に返るときもあります。しかし、そのような状況でこそ、光が見えるチャンスがあらわれてくるのだと思います。全国には多くの夢をもった、走り続けた先輩たちがおられます。その歴史に敬意を払うとともに、その姿勢を学ぶことこそが、毎日の喜びの第一歩になるのだと思います。

最終更新日 2011年09月29日

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