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減塩食について

かるしおチェックシート

    まずはあなたの食生活の塩分をチェック!次の10項目のうち、当てはまるものにチェックマークをつけてみましょう。塩分の取り過ぎの要因は、身近なところにひそんでいます。

    かるしおチェックシート
    ひとつでもチェックマークがついたら、要注意!

    この10項目のほとんどに共通するのは、即、塩分とり過ぎにつながる食習慣だということ。ごはんやお酒に合うものには、大抵塩分がたっぷり含まれていますし、外食や市販のおそうざいは万人受けするように、はっきりとした濃い味が多いもの。すし飯にもしっかり塩が効いています。かるしお生活の第一歩は、自分の食習慣を見直すことから始めましょう。

    おいしい減塩食で、循環器病予防

    日本では成人の3人に1人、高齢者の3人に2人が高血圧と診断されています。高血圧は脳卒中や心臓病につながりやすく、高血圧の予防と治療は、今や国民的な課題です。高血圧の予防には、「減塩」「体重管理」が有効。なかでも、毎日の食事の塩分を制限することが重要です。
    当センター病院では臨床栄養部が中心となって、2005年から、塩分が1食2グラム程度、1日合計6グラム未満になる減塩食を入院患者さんに提供しています。また、入院・外来の患者さんを対象に栄養指導、調理師の実演を交えた調理講習会も行っています。
    塩分の少ない食事といえば、味気ないものというイメージが一般的ですが、当センターの減塩食は京都の割烹などで修行した調理師長が、栄養士と協力して京料理の手法を取り入れた独自メニューを開発。素材の旨みを引き出し、塩気が少なくてもしっかり味があっておいしいという評判をいただいています。
    「あの食事を家庭でも食べたい」という退院された患者さんから、予防のためにも塩分を控えた食生活に関心があるといった方まで、おいしい減塩食をより多くの方に日常的に食べていただけるように、民間企業と連携、レシピを電子化し、企業・自治体食堂、介護保険施設、一般家庭に配信する事業にも取り組んでいます。
    食塩の摂取量を減らし、血圧が2mmHg下がれば、国内での循環器病による死亡を2万人減らすことができるといわれています。当センターは減塩を国民的な課題ととらえ、日本高血圧学会など、他の減塩活動との連携も深め、日本人の血圧を下げるために減塩プロジェクトを多角的に推進していきます。

    かるしおレシピ 当センターの減塩食の作り方を紹介した家庭向けのレシピ本『国循の美味しい!かるしおレシピ』(セブン&アイ出版)も発売

    なぜ「減塩」が必要なのか?

    塩分摂取と循環器病の関係

    塩が増えれば、危険な高血圧に

    塩分は血圧と密接な関係があります。塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなります。ナトリウム濃度が高くなると、それが、中枢神経に働いてのどが渇き、人は水分を摂ります。水分を摂ると血管に流れる血液量が増え、血圧が高くなります。つまり、塩分を摂りすぎると体内の塩分と水分の量を調整するために血液量が増え、高血圧になるというわけです。
    高血圧状態が続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、硬くなってしまいます。これが、高血圧による動脈硬化です。動脈硬化は脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。また、高血圧状態を続けることは、心臓に無理な負担をかけることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。
    当センターでは健康診断を受診された方などを対象に、ある要因と病気の発症との関連などを長年にわたって追跡調査する「吹田研究」を行っています。この研究をもとにした「血圧別の循環器疾患の発症率」の分析でも、やはり血圧が高くなるほど、循環器病を発症する割合が高くなっていますが、高血圧ではない正常値とされる血圧の中でも、正常高値と呼ぶ血圧が高めの人たちが低い人たちよりも発症率が高いという結果が出ています。
    循環器病の大きな危険因子である高血圧を予防するためには、高血圧の原因となる塩分の摂りすぎを控えることが重要です。また、同じ血圧でも塩を多く摂っている人の方が脳卒中になりやすいというデータもあり、塩分摂取量を減らすことは、血圧を下げるだけではないプラスアルファの効果が期待できます。

    世界は1日6グラム未満が当たり前

    塩分摂取量を減らすためには、まず、自分がどれだけ食塩を摂取しているかを知ることが必要です。現代では外食や加工食品から摂る食塩が大きな割合を占めます。加工食品の成分表示に食塩を表示することは義務づけられていません。また、表示している場合でも多くはナトリウム(Na)と表示されています。ナトリウムの量と食塩の量が同じではありません。食塩の量はナトリウムの量に2.54をかけたものだということを知っておくと良いでしょう。

    世界の中の食塩摂取量の非常に少ない地域では、高血圧の人は少なく、年を取っても血圧が高くなることは、ほとんどありません。減塩が原因で健康を損なうことも、ほとんどありません。欧米諸国では、一般の人の1日の食塩摂取量として、6グラム未満が推奨されています。我が国の高血圧治療ガイドラインでは、高血圧の人に対しては、6グラム未満を勧めていますが、血圧が正常な人にとっても1日6グラム未満を心がけることが勧められます。ほとんどの日本人は必要量をはるかに超える食塩を摂取しています。減塩に対する正しい認識を広め、自治体、食品業界などが協力して減塩を進め、日本人の生活習慣を改善していかなければなりません。

    元高血圧・腎臓科部長 河野雄平

    成人の食塩摂取量の平均値は、男性11.4g、女性9.6gであり、男女とも前年と変わらない

    食塩摂取量の平均値の年次推移(20歳以上)(平成15〜23年)

    食塩摂取量の平均値(20歳以上、性別、年齢階級別)

    • 厚生労働省が推奨している日本人の食塩摂取量の目標値は、男性は9g/日未満、女性は7.5g/日未満
    • 日本高血圧学会による高血圧患者の減塩目標は、男女とも6g/日未満

    Q&A

    Q1.塩分の悪影響は血圧だけですか?
    A:塩分(食塩)は高血圧に強く関係しており、塩分の摂取量が多いと血圧は上がります。食塩は血圧を上げることによって脳卒中や心臓病の危険性を高めますが、血圧への影響以上に心臓や血管に悪影響を及ぼすことが分かってきました。また、塩分の摂り過ぎは腎結石や骨粗鬆症、胃がんなどの病気にも関係しています。したがって、塩分の制限は高血圧の予防と治療、脳卒中や心臓病などの循環器病の予防に重要で,上に述べたような循環器病以外の病気にも好影響が期待できます。
    Q2.塩分をどの程度減らすといいのですか?
    A:1日の塩分摂取量については、わが国では高血圧の人は6g未満、一般の人は男性で9g未満、女性は7.5g未満が勧められています。しかし日本人の塩分摂取量は、減少傾向にはありますが平均10g以上で、世界的にみてもまだ多い状況です。高血圧の人も、大部分は目標を達成できていません。食塩の1日の必要量は1-2gですので、塩分をしっかり制限しても通常は体に悪影響はありません。欧米ではより厳しい塩分制限(一般人で6g未満、高血圧の人は4g未満)を勧めています。
    Q3.夏は汗をかくので塩分を多めに摂取した方がいいのでは?
    A:夏は発汗などで脱水になると熱中症の危険性が高まりますので、水分は十分に摂りましょう。発汗により塩分もいくらか失われますが、日本人の食塩摂取量は必要量をはるかに超えています。高血圧の人は、大量に汗をかいた場合を除き、夏でも塩分は制限すべきです。
    Q4.国循の「減塩プロジェクト」について教えて下さい。
    A:国循の入院食の食塩量は原則1日6gですが、調理師さんや栄養士さんの工夫で、美味しい減塩食になっています。最近ではこの食事が評判になり、マスメディアにも取り上げられるようになりました。「減塩プロジェクト」は、循環器病の予防における減塩の重要性を啓発し、国循の美味しい減塩食をさらに広めるべく、立案されました。主な活動は、減塩についての広報、東北大震災への支援、減塩デジタルレシピや減塩弁当の開発、高血圧教室や料理教室、他の減塩活動との連携などです。

    減塩に関連する動画(国循チャンネル)

    食生活の基本(第1回 国循市民公開講座)

    国立循環器病研究センター栄養管理室長
    村井 一人

    2012年3月11日に千里ライフサイエンスセンターで開催した「第1回 国循 市民公開講座」での講演です。
    生活習慣病予防のための食生活の基本について説明しています。

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    高血圧の予防と治療(第1回 国循市民公開講座)

    国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科部長
    河野 雄平

    2012年3月11日に千里ライフサイエンスセンターで開催した「第1回 国循 市民公開講座」での講演【前編】【後編】です。
    脳卒中や心筋梗塞などの循環器病の原因となる高血圧について説明しています。また減塩の必要性についても詳しく紹介しています。

    【前編】 【後編】
    動画を見る 動画を見る
    生活習慣と高血圧、脳卒中、心臓病~食塩制限の大切さ(第3回 国循市民公開講座)

    生活習慣と高血圧、脳卒中、心臓病~食塩制限の大切さ  河野 雄平

    国立循環器病研究センター生活習慣病部門長
    河野 雄平

    塩分の摂り過ぎは血圧を上げ、脳卒中や心臓病の危険性を高めます。また、肥満や運動不足、喫煙、大量飲酒なども高血圧や種々の循環器病に関係しています。 血圧管理と循環器-病予防のためには、食塩制限を含めた良い生活習慣を続けることが大切です。

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    関連ページ

    病気について

    循環器病あれこれ

    最終更新日 2013年08月16日

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