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[82] 循環器病の食事療法

「知っておきたい循環器病あれこれ」は、「公益財団法人 循環器病研究振興財団」が循環器病に関する最新情報を分かりやすく解説した発行物を、国立循環器病研究センターが許可を得てHTML化したものです。
文章・図表・イラスト等の転載・引用のご相談は循環器病研究振興財団までご連絡ください。

2010年9月1日 発行

元国立循環器病研究センター
栄養管理室
主任栄養士 高木 洋子

あなたを守るのは あなた

あなたを守るのは あなた

もくじ

はじめに

食事や運動などの生活習慣がよくなかったり、偏ったりしていると、いろいろな生活習慣病が起こりやすくなります。

肥満から始まって高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が起こりやすくなり、これらの生活習慣病は、さらに循環器病(狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの虚血性心臓病や脳卒中など)を引き起こす“下地”となります。

この関係を示したのが<図1>です。生活習慣の乱れが、将棋を倒す最初の駒となって将棋倒し(ドミノ倒し)が起こるように、次々影響が広がっていきます。この現象を“メタボリックドミノ”と呼んでいます。

メタボリックドミノの中でとくに重要な生活習慣病は、循環器病の下地となる高血圧、糖尿病、脂質異常症です。これらは遺伝的素因も関係していますが、日々の食習慣などの生活習慣が深く関係しています。

ですから、日頃の生活習慣を見直し、問題点を是正すれば、生活習慣病はもとより、虚血性心臓病や脳卒中の予防・改善にもつながります。

このページでは高血圧、糖尿病、脂質異常症を中心に、各生活習慣病の食事管理のポイントについて紹介します。この機会にご自身の食生活を見直してみましょう。

図1 メタボリックドミノ
図1 メタボリックドミノ

生活習慣病予防のための食事療法の原則

●適正なエネルギー摂取量●

☆1日どのくらいのカロリーをとればよいの?
適正なエネルギー量は、標準体重と日々の活動量から算出します。

1日の適正エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×身体活動量(kcal/kg)
(標準体重は<身長m×身長m×22>で算出します)

身体活動量は<表1>をもとに計算してください。

表1 身体活動量
表1 身体活動量

例えば、身長170cmでデスクワークが主な職業の方の場合

標準体重(kg)は1.7m×1.7m×22=63.6(kg)

身体活動量はデスクワークが主なので25~30(kcal/kg)として、63.6×25~30=1590~1908となり、1600~1900kcalが1日に摂取する適正エネルギー量といえます。

1日にとりたい食品の摂取量の目安(1600kcal/日の場合)
米飯 ・・・・・・・・・・ 3杯(1杯150g) 食パン4枚切り1枚が米飯150gに相当
芋類 ・・・・・・・・・・ じゃが芋なら中1個程度
魚類 ・・・・・・・・・・ 70g
肉類 ・・・・・・・・・・ 60g
卵類 ・・・・・・・・・・ 1個(50g)
大豆製品 ・・・・・・ 100g
野菜類 ・・・・・・・・ 350g以上(1食に100g以上×3食)
牛乳・乳製品 ・・・ 牛乳なら200cc
果物 ・・・・・・・・・・ 100~200g
油脂 ・・・・・・・・・・ 大さじ1杯(10g程度)

※疾患によって食品の摂取量の制限などが必要な場合があります

1日の適正なエネルギー量が1600kcalとすると、1食で摂取するカロリーの目安は500~600kcalとなります。

約500kcalの食事量は例えば次のようになります<図2>。

図2
約500kcalの食事量の目安(洋食)
図2 約500kcalの食事量の目安(洋食)
食パン4枚切り1枚 バター10g
野菜サラダ100g(ノンオイルドレッシング)
ゆで卵1個 牛乳200cc
約500kcalの食事量の目安(和食)
図2 約500kcalの食事量の目安(和食)
ご飯150g 焼魚1切れ(約90g)
酢の物(50g) 炊き合わせ(100g)
ゴマあえ(50g)
●栄養バランスのとれた食事●

食事内容で大切なことは、栄養バランスです。さまざまな栄養素の働きが、かかわりあって健康を維持していますので、偏った食事は身体にとってマイナスです。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの必要な栄養素を過不足なくとりましょう。

☆栄養バランスの良い食事とは?
(1)主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が基本 毎食バランス良く

好きなものに偏らず、いろいろな食品を食べましょう<図3>。

図3
図3
(2)炭水化物、たんぱく質、脂質の適正量摂取。脂質の取り過ぎに注意!

脂肪のエネルギー量は1gで9kcal、炭水化物やたんぱく質は1gで4kcalですから、脂肪は効率のよいエネルギー源です。そのため脂肪の摂取量が多いとエネルギー過剰になり、肥満の原因となります。

動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、心筋梗塞などのリスクを高めますので、脂質や動物性脂肪のとり過ぎには注意が必要です。

油を使う料理は1日1品程度にして、肉類や卵よりも魚介類や大豆製品の摂取回数を多くするように心がけましょう。

脂質を多く含む食品 ・・・ サラダ油などの植物油、バター、マーガリン、ドレッシング、マヨネーズ類、ラードなどの動物脂、ベーコン・ばら肉など
●食塩を控える●

1日の食塩摂取量の目標は、循環器疾患がある人では6.0g未満、健常人でも男性9.0g未満、女性7.5g未満です。

厚労省の国民健康・栄養調査(2008年)では、日本人の成人の1日の食塩摂取量は男性11.9g、女性10.1gで、まだまだとり過ぎの状況です。食塩をとっていないと思っていても、調味料や加工食品などから案外、摂取していますので、さらに意識して減塩に努めましょう。
(減塩については高血圧の項を参照)

●規則正しい食事習慣●

食事は、できる限り3食に分割してとるよう心がけてください。特に夕食でのまとめ食いや食べ過ぎは、肥満を助長しやすいので要注意。夜遅くの飲み食いも肥満の原因になります。

●嗜好品・外食●

おやつやアルコールは食生活を豊かにし、ストレス軽減に役立つことがありますが、肥満の原因や生活習慣病を悪化させる要因にもなります。摂取する品によっては、1食分のカロリーと同じか、それ以上のものもありますので、決められたカロリーの範囲内でとるようにしましょう。

外食はカロリーの高いものが多い、量が多い、味が濃い(塩分が多い)、栄養が偏りがち(野菜が少ない)などの問題がありますので、食事療法の面から言えば、あまり好ましいとはいえません。

油を使った料理を極力避け、和食のメニューで、主食と副食(おかず)が付いている定食のようなものを選ぶことをお勧めします。

量が多ければ残す。汁物や漬物など塩分を多く含むものは残す。野菜料理が少なければ追加して摂取する―などの工夫が大切です。

各疾患に対する食事療法のポイント

【肥満】

肥満は生活習慣病のもとです。特に内臓脂肪型肥満は生活習慣病に深く関係しており、高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因となりますので、肥満者は減量が最重要課題です。減量によって血圧やコレステロール、血糖値などの改善が期待できますので、ぜひ減量に取り組みましょう。

肥満の判定
●BMI(体格指数)●

肥満の指標の一つとしてBMIが用いられます。BMIが25以上の場合が肥満です。標準は22です。

☆肥満かどうかチェックしてみましょう
BMI=現在の体重kg÷身長m÷身長m

身長170cm、体重75kgの場合
BMIは、75kg÷1.7m÷1.7m=25.95となり、BMIが25以上ですから肥満と判定します<表2>。

かなり体重の重い人が、標準体重まで体重を落とすとなると大変で、くじけがちですが、現在の体重の5%程度を減らすだけでも、さまざまな減量効果が期待できます。まずは現状の体重より1kgでも、2kgでも減らすことに取り組んでください。

表2 肥満の基準
表2 肥満の基準

※BMI(Body Mass Index:体格指数)
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

●体脂肪量●

やせていても内臓脂肪面積が多い“隠れ肥満”の人もいますので、注意が必要です。内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、食事療法や運動で減りやすいので、積極的に生活習慣の改善に取り組みましょう。

肥満の予防・改善、内臓脂肪の減量のためには
適正なエネルギー量を摂取する
栄養バランスのとれた食事をとる
規則正しい生活をおくる
適度な運動
を心がけましょう。
<肥満解消のための食事のポイント>
  • 菓子類、ジュース類、アルコール飲料などの嗜好品の摂取をやめる
    中止が無理なら、まずは半分の量に減らしましょう。
  • ご飯やおかずのおかわりをしない
    主食量の多い人は今までの半量に減らすだけでも効果があります。
    食べ終わっての「お腹一杯」は食べ過ぎです。腹八分を心がけて!
  • 茶碗などの器を一回り小さいものに変える
  • 大皿料理は、1人前の分量を小皿に取り揃え、食べる量を把握する
  • 野菜料理や噛む食材を上手に取り入れ、早食いを避ける
  • 油を用いた料理は、1日1品までに抑える
  • 夕食で食べ過ぎない、夜遅くに飲食しない
    朝、昼食の量を減らすより、夕食量や夜食を減らす方が効果大です。
  • 食事は抜かず、規則正しい食習慣を身につける
    食事を抜くと、次の食事でドカ食いをしたり、食事の吸収率が高まるなどして肥満につながりやすいので要注意です。
  • カロリーだけを指標として極端な食事制限はしない
    極端な食事制限は栄養不良を引き起こすほか、基礎代謝が低下して、やせにくくなり、再び肥える原因になります。
  • 買い置きを極力少なくする
    目につくと食べたくなります。買い物は最小限にして余分なものは買わないこと。

体重を1kg減らすためには、約7,000kcal減らすことが必要ですので、1か月で体重を1kg減らすには1日当たり約230kcal減らす必要があります。食事療法と運動を上手に取り入れて、減量に取り組みましょう。

運動は生活習慣病の予防や改善に役立ちます。適度な運動をする習慣をつけましょう。運動の程度などについては主治医に尋ねてください。

ただし、運動療法で消費するエネルギー量を過信しないこと!

運動で消費したエネルギー以上に食べてしまっては台無しです。

体重60kgの人が普通の速度で約1時間歩くと約200kcal消費します。
まんじゅう1個で約200kcal ケーキ1個で約350kcal
あんパン1個で約350kcal おかき1枚で約50kcal
カステラ1切れで約200kcal ごはん1杯(150g)で約250kcal

要注意!! 運動で消費したカロリーが、差し引きゼロになっていませんか?

【高血圧】

食事療法のポイント
〔1〕食塩(塩分)の摂取量は1日6g未満に

食塩の過剰摂取は血圧を上昇させ、高血圧を招きます。また、心臓血管系に悪影響も及ぼしますので、食塩制限は欠かせません。

食塩は塩だけでなく、しょうゆやみそなどの調味料や加工食品などさまざまな食品に含まれています。加工食品の塩分量は意外に多く、気付かないうちに食塩をとりすぎていることがよくあります。調理の味付けを薄くするのはもちろん、食品中の塩分にも注意を払ってください。

●主な食品中の塩分含有量の目安●
主な食品
  • うどん・そば 各4~6g
  • ラーメン 5~6g
    (麺類の汁を飲まない場合は約半分の塩分量となります)
  • ざるそば・そうめん1人前 各2~3g
  • みそ汁 1杯 1.5~2g
  • 漬物・佃煮(1人前)0.5~1g
  • 梅干し1個 1~2g
  • 魚の干物類(1枚)1~1.5g
  • 明太子・塩鮭類(半切れ)1~1.5g
  • ちくわ1本・かまぼこ2切 各0.5g
  • ハム(1枚)・ウインナー(1本)各0.5g
  • チーズ類(1個・枚) 0.5g
  • 寿司1人前(8~10個)3.5~4.5g
  • 食パン1枚(6枚切)0.8g
  • しょうゆ 小さじ1杯(5cc)1g
  • みそ 大さじ1杯(18g) 2.2g
  • 塩 小さじ1杯(6g) 6g
    減塩しょうゆ、減塩みその塩分量は、通常の製品の半分です。
食塩(塩分)・ナトリウム換算式

食品の成分表示で、ナトリウム量の記載があって塩分量が記載されていないことがあります。この場合は、次の式で塩分量を計算ができます。

ナトリウム(g)×2.54=食塩相当量(g)

●食塩(塩分)制限を実践するコツ●
  • 塩分を多く含む食品は、多くても1日1品、1回以下の摂取にする
  • 麺類のだしは飲まない。汁物は具だくさんにして汁を少なくする
  • しょうゆ・ソースは「かける」より「付ける」方が少量ですむ
  • 酢や柑橘類などの酸味を利用する(ポン酢の塩分はしょうゆの半分)
  • しょうが、こしょう、唐辛子、にんにく、わさび、辛子、カレー粉、ごま、ねぎ、みょうがなど香辛料・香味野菜を使うと薄味でも食べやすい
  • 鰹・昆布・いりこ・干し椎茸などの天然素材でだし汁を濃いめにとる市販のインスタントだしは塩分を多く含む製品もあるので要注意
  • 煮炊きものばかりにせず、焼く・蒸す・炒める・あえる・揚げるなどの調理法を上手に組み合わせる
  • 和食より洋食の方が、塩分が少なくて調理できる場合が多いので、カロリーの範囲内であれば洋食のメニューを取り入れるのもよい
  • 煮物は何度も火を入れると煮詰まって味が濃くなるため、1回で食べきれる量を調理する
  • 食べる量が多いと薄味でも塩分摂取量は増える。食事量にも注意
〔2〕カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル類と食物繊維が不足しないように

米国での研究で、野菜や果物が十分な食事によって血圧が下がり、低脂肪の乳製品を加えると、さらに効果的であることがわかっています。食塩制限に加えて、野菜類、果物、牛乳・乳製品をきちんととるように心がけましょう。ただし、腎疾患や糖尿病の場合は摂取量に要注意です。

野菜・海草類や果物は、カリウムや食物繊維を多く含んでいます。牛乳・乳製品類は、カルシウムを多く含みます。

カリウムはナトリウムの排泄(はいせつ)を促し、食物繊維には塩分を吸着したり、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。カルシウムも高血圧予防によいとされています。マグネシウムには血管拡張作用があり、玄米や和そば、アーモンドなどの種実類、海藻、豆類に多く含まれています。

〔3〕飽和脂肪酸(動物性脂肪)やコレステロールをとりすぎない

脂質異常症の項を参照)

〔4〕アルコール

適量のアルコールは血圧を下げると言われています。しかし飲み過ぎると逆に血圧を上げますので、飲み過ぎは厳禁です。

アルコールの適量は多少個人差がありますが、一般的には
日本酒なら1合 ビールなら中瓶1本
焼酎なら0.5合 ウイスキーならシングル2杯
が適量です。
週に2~3日の禁酒日(休肝日)を設けることも忘れずに。

飲酒は食欲を促すので、食べ過ぎになりがちです。「肴(さかな)」が濃い味のものだと食塩の摂取量が増えますので、これらの点も注意しましょう。

〔5〕カロリーのとりすぎに注意

肥満も血圧上昇につながります。太っている人は、やせると血圧が下がる場合もありますので減量を心がけましょう。

生活習慣病予防のための食事療法の項を参照)

【糖尿病】

食事療法のポイント
  1. 適正なエネルギー量の摂取
  2. 栄養バランスのとれた食事
  3. 規則正しい食事習慣
  4. 合併症の予防のために
    食塩を減らす コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食品の摂取を控える 食物繊維を多めにとる
 

糖尿病治療の目的は、血糖をうまくコントロールし、合併症を予防したり進まないようにすることで、食事療法と運動療法が基本となります。食事療法には、特別な制限を強いられるわけではなく、肥満の予防・改善のために適正なエネルギー量を摂取し、健康の改善・維持のために必要な栄養素をきちんと摂取することが目的であり、原則です。

そのうえで、血糖コントロールを良好に保つ工夫として、血糖を上昇させやすい食べ物の摂取や食べ方に注意することが必要です。

肥満は血糖値を下げてくれるインスリンの働きを悪くするため、体重が多い人は減量が不可欠です。体重を減らすことでインスリンの働きが改善し、血糖値の改善がみられることがしばしばあります。

〔1〕~〔3〕については、生活習慣病予防のための食事療法の項で、〔4〕については高血圧脂質異常症の食事療法の項でそれぞれ説明していますので参照してください。

☆何をどのくらい食べればよいのか?

糖尿病の食事療法のスタンダードとして「糖尿病学会編:糖尿病患者のための食品交換表」があります。食品交換表

この本では、80kcalを1単位と定め、それぞれの食品の1単位分の重量が記載されています。さらに、各食品を栄養素別に表に分類し、各表からそれぞれどれだけ摂取したらよいかが、1日の摂取エネルギー量別に示されています。この表に従って摂取すると、エネルギー量を守ったバランスがとれた食事ができる仕組みになっています。

詳細は栄養士や医療従事者にお尋ねください。

☆血糖値を上げやすい食品は?

食品によって食後の血糖値の上がり方に違いがあります。では、どんな食品が血糖値を上げやすいのでしょうか?

答えは、炭水化物を多く含む食品です。

<図4>と<図5>は炭水化物、たんぱく質、脂質が血糖に変化する割合を示したものです。栄養素が血糖に変わる率も炭水化物が最も多いのです。つまり、炭水化物を多く含む食品を過剰にとると、食後の高血糖を招きやすいのです。

食後の高血糖は動脈硬化を促進させやすく、心筋梗塞などのリスクを高めるため、最近では食後の血糖値も重要視されるようになりました。

図4 1997 American diabetes association より
図4 1997 American diabetes association より
図5 Life with Diabetes 糖尿病教室パーフェクトガイドより
図5 Life with Diabetes 糖尿病教室パーフェクトガイドより
●炭水化物を多く含む食品(一例)●

米飯、パン、うどん、そば、中華麺、スパゲティ、もち、じゃが芋、さつま芋、里芋、長芋、かぼちゃ、とうもろこし、バナナ、柿、ぶどう、みかん、りんごなどの果物類

砂糖、蜂蜜、砂糖や蜂蜜を使った菓子類など

「麺類+米飯」のような組み合わせは、食後の血糖値を招きやすい!

 

炭水化物はエネルギー源として大切ですが、とり過ぎは要注意です。

ただし、極端な制限も好ましくありませんので、適量摂取が基本です。

食品の精製度も食後の血糖値に影響します。穀類などは精製度の低いものの方が、血糖値が上がりにくく、白米より玄米の方が上がりにくいのです。このことは食物繊維とも関係があり、野菜やきのこ・海藻類を毎食しっかりとることも食後の血糖値抑制につながります。

☆食事を抜いたり、間食をしても大丈夫?

食事を抜くことや、おやつなど食事と食事の間に飲食する習慣があると、次の食事後の血糖値が高くなったり、血糖値が下がりにくくなったりして、血糖のコントロールが乱れます。間食を控え、規則正しい食習慣を実践することが、血糖コントロールを良好に保つコツの一つです。

【脂質異常症(高脂血症)】

食事療法のポイント
〔1〕適正なエネルギー量の摂取(肥満の予防・是正)については生活習慣病予防のための食事の項参照。

食べ過ぎは、コレステロールや脂質のとり過ぎにもつながります。また、余分なカロリーは中性脂肪や脂質を増やします。肥満は体内でのコレステロールの合成も促しますので、肥満の予防・是正に努めましょう。

〔2〕脂質をとり過ぎない。
1日の脂肪の摂取エネルギー比率を25%以下にしましょう。

脂質のとり過ぎは肥満につながります。また、動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取増加は、狭心症や心筋梗塞などの発症率を増加させますので脂肪の摂取量や脂肪の質に注意してください。

オリーブオイルなどに多く含まれる不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)や、魚類などに多く含まれる不飽和脂肪酸(n-3系の多価不飽和脂肪酸)は、動脈硬化が進むのを予防したり、狭心症や心筋梗塞の発症を低減・抑制したりする効果があるとされています。

大豆たんぱくには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値を下げ、HDLコレステロール(善玉コレストロール)値を上昇させる作用があります。

●食品を選ぶときのポイント●
  1. 肉類よりも魚類や大豆・大豆製品を多くとる
  2. 動物性の脂肪よりも魚や植物性の油脂を選択するようにする
  3. 油脂を使った料理の摂取は1日1品程度に控える
  4. ばら肉、ひき肉、霜降り肉、鶏皮、ベーコンなどの飽和脂肪酸を多く含む食品の摂取を控える
  5. 乳製品類も飽和脂肪酸を多く含むため低脂肪のものがお勧め
  6. スナック菓子や洋菓子・菓子パンなどにも脂肪が多く含まれているので要注意
〔3〕コレステロールを多く含む食品の摂取を控える

卵、魚卵、レバーなどの内臓、子持ち魚や内臓ごと食べる魚、うなぎなど、コレステロールを多く含む食品の摂取に注意しましょう。

卵1個に含まれているコレステロール量は210mgです。洋菓子など卵を使用している食品の摂取にも気をつけてください。

コレステロールを多く含んでいる食品は絶対に食べてはいけないとは言いませんが、食べる頻度や1回の量を減らすことが必要です。

〔4〕食物繊維を十分にとる

食物繊維にはコレステロールの吸収を抑える作用があります。積極的にとるように心がけましょう。食物繊維を多く含む食品としては、野菜や果物、海藻類、きのこ類、こんにゃくなどがあります。ただし果物は糖分を多く含みますので、とり過ぎに注意してください。

野菜や果物の1日の摂取量の目安は、
野菜 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
350g 2鉢程度の野菜料理を毎食とりましょう
海藻・きのこ・こんにゃく類 ・・・ 取り混ぜて50g
果物 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100~200g(りんご1/2個程度)

穀類では白米より玄米、白パンよりもライ麦パンといったように精製されていないものの方が食物繊維を多く含んでいます。

食物繊維はコレステロールの吸収を抑えること以外に、便秘の予防・改善、咀嚼(そしゃく)することによる食べ過ぎ防止(肥満予防)、さらに塩分の排泄を促し、血糖値を改善させるのにも役立ちます。

〔5〕甘いものやアルコールは控えめにする

甘いものやアルコールのとり過ぎは、カロリーや糖質のとり過ぎにつながり、中性脂肪を増やす原因になります。また、卵や牛乳、生クリームなどがたくさん使われているような洋菓子は、コレステロールや脂肪の含有量も多いので摂取を控えましょう。

食事を抜くなどの不規則な食事や夜遅くの飲食は、脂肪を体内にため込む原因になります。3食きちんととり、夜遅くの飲食は避けること。

他の病気の食事療法のポイント

【狭心症・心筋梗塞】と【脳卒中】
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満の食事療法に準じて行います。
【心不全】
食塩制限、水分制限が必要になります。
【腎不全】
塩分制限、たんぱく質制限、エネルギーの確保。
必要に応じてカリウム制限や水分制限を行います。

おわりに

食事療法は、頭では理解していても、いざ実践するとなると難しいものです。「まあいいか」「ちょっとぐらい」が続いていませんか?

あなたの病を良くするのも悪くするのも、あなた自身です。食べたいもの、好きなものを考えなしに食べることが、果たして本当に幸せなことなのか、よく考えてみてください。「後悔先に立たず」です。

ちょっとした“口養生”(食生活の知恵)が病から身を守ってくれます。「転ばぬ先の杖」、明日からと言わず、今すぐ食生活を見直して改善に取り組みましょう。

食事療法については管理栄養士が相談に応じますので、病院などでご相談ください。

 

最終更新日 2014年03月12日

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