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[79] 循環器病と気になる嗜好品

「知っておきたい循環器病あれこれ」は、「公益財団法人 循環器病研究振興財団」が循環器病に関する最新情報を分かりやすく解説した発行物を、国立循環器病研究センターが許可を得てHTML化したものです。
文章・図表・イラスト等の転載・引用のご相談は循環器病研究振興財団までご連絡ください。

2010年3月1日 発行

元国立循環器病研究センター
高血圧・腎臓部長
部長 河野 雄平

健康的なお付き合い

イラスト:健康的なお付き合い

もくじ

はじめに

運動や食事、飲酒などの生活習慣は、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や、種々の心臓病や脳卒中などの循環器病に強く関係しています。

いくつかの嗜好(しこう)品も、生活習慣の一部としてこれらの病気に影響しており、なかでも飲酒とたばこについてはよく知られています。最近ではコーヒーや茶(ティー)と生活習慣病や循環器病との関係や、ココアやチョコレートの血圧や血管への影響についてもわかってきました。

ここではこうした嗜好品が循環器病にどう影響しているかを解説し、循環器病を予防したり、管理したりするときに、知っておいてほしい原則や注意点について説明します。

アルコールと循環器病

アルコールは高血圧や多くの循環器病に関係しています。しかし、アルコールの循環器病への影響は悪いことばかりではなく、よい影響があることも明らかになっています<表1>。表の○印(好ましい影響がある)のところをご覧ください。

表1 アルコールとたばこの循環器病への影響
表1:アルコールとたばこの循環器病への影響

1)高血圧

図1 アルコール摂取量と血圧との関係
図1:アルコール摂取量と血圧との関係
(Klatsky et al, N Engl J Med 1977より抜粋)

アルコールと高血圧の関係はよく知られており、飲酒制限は高血圧の治療として、生活習慣を改善する方法として広く行われています。しかし、アルコールの血圧への作用は単純でありません。

集団検診などにもとづく研究では、アルコールと高血圧との関係は明らかで、人種や性、年齢にかかわらず認められています<図1>。飲酒量が増えるほど血圧は高く、アルコール(エタノール)1日10ミリ・リットルあたり収縮期血圧は1mmHg(ビール1本あたり約3mmHg)ほど高くなることがわかっています。

健康な人や高血圧の患者さんを対象とした研究でも、アルコールによって血圧が上昇し、飲酒を制限すると血圧が下がることが報告されています。

いくつかの研究をまとめた分析(メタ解析)では、アルコール制限により血圧は平均で収縮期3mmHg、拡張期2mmHgほど低下しています。この降圧効果は、血圧が高い場合により大きくなります。

しかし、これらの研究のほとんどは飲酒後、いつ血圧を測定するか、時間について考慮していない点が問題となります。つまりアルコールは主に夜、飲みますが、血圧測定は日中に行われています。この点をもう少し詳しく説明しましょう。

一般に飲酒後、血圧はむしろ低下します。とくに飲むと顔が赤くなる人では、血圧低下が大きく、脈拍数はかなり増加します。

顔が赤くなるのは血管が拡張している現れで、遺伝的にアルコールを分解する働きが弱いため、アセトアルデヒドという物質が血液中に多くなって起こります。

私たちが高血圧患者さんを対象に調べると、アルコールの摂取により血圧は数時間、下がりました。また、飲酒している日々(飲酒期)の血圧は、飲酒を制限している日々(飲酒制限期)と比べて、日中は高かったのですが、夜間は逆に低く、24時間の平均値はほとんど変わりませんでした<図2>。

図2 高血圧の患者さんの飲酒期と飲酒制限期の24時間血圧
図2:高血圧の患者さんの飲酒期と飲酒制限期の24時間血圧
(Kawano et al, Am J Med 1998より) ※:統計的に有意差あり

ですから、24時間継続して血圧を測定してみると、アルコールの血圧への影響は小さいようです。しかし、飲み過ぎは、それ自体が血圧を上げるとともに、降圧薬が効きにくい「治療抵抗性高血圧」の原因にもなります。また、アルコール飲料のカロリーや、つまみの塩分も血圧上昇の要因となることにも注意が必要です。

イラスト:血圧上昇

2)動脈硬化

大きな血管の動脈硬化にアルコールはどう関係しているのでしょうか。少し飲む人は、飲まない人に比べ動脈硬化がより軽いことがわかっています。

その理由は、アルコールによって、動脈硬化を防ぐように作用するHDLコレステロール(善玉コレステロール)が増えることや、赤ワインに多く含まれるポリフェノール(抗酸化物質で、動脈硬化を防ぐように働く)が関係しているようです。

動脈硬化は炎症とも関係がありますが、少量飲酒者は炎症の指標であるCRP(C反応性蛋白)という物質の値が低いこともわかってきました。

ただし、アルコールの摂取量が多いほど動脈硬化の予防効果が大きいというわけではありません。大量飲酒者の頸(けい)動脈の硬化は、飲まない人に比べて強い、という研究結果も出ています。

3)心臓病

長期間の大量飲酒は、心臓の肥大や機能低下をもたらし、心筋症や心不全の原因となります。<表1>をもう一度、ご覧ください。しかし最近の研究で、心不全になるリスクは、少量飲酒者の方が非飲酒者より小さいことがわかってきました。

アルコールはまた、心房細動や期外収縮などの不整脈のリスクを高めます。これらの不整脈は、大量飲酒者や大量飲酒後に起こりやすいことが知られています。

一方、アルコールは、心筋梗塞(こうそく)や狭心症といった虚血性心疾患には好ましい影響を与えます<図3>。

理由は、善玉のHDLコレステロールやポリフェノールによって動脈硬化が抑制されること、血液を凝固させるシステムへの作用で血液が固まりにくくなること、糖代謝やインスリンへの反応(感受性)をよくすること、などがあげられています。

血圧を24時間測定してみると、飲酒によってそれほど上がらないことも関係しているでしょう。ただし、この好ましい影響は飲むほどに大きくなるわけではありません。

図3 アルコール摂取量と死亡率との関係
図3:アルコール摂取量と死亡率との関係
(Boffetta et al, Epidemiology 1990より)

4)脳卒中

アルコールは、脳出血やくも膜下出血といった出血性の脳卒中を明らかに増加させます。その危険性は、飲酒量が多いほど大きくなります。

一方、脳梗塞(虚血性脳卒中)の場合、少量、もしくは中等量では予防するように働き、大量では逆にリスクとなります。アルコール摂取量と全脳卒中との関係は、少量では好ましい影響があり、逆に大量では悪影響が強く出てきます<表1、図3>。

5)末梢動脈疾患

末梢(まっしょう)動脈疾患の主なものは、腰や足の血管が動脈硬化で狭くなったり、詰まったりする閉塞性動脈硬化症です。飲酒者は非飲酒者に比べて閉塞性動脈硬化症は少ないことがわかっています。

6)心血管死亡率と全死亡率

アルコール摂取量と心臓血管系死亡率(心血管死亡率)との間には、飲まない人に比べると、少量飲む人では心血管死亡率はやや低く、酒量が多いと死亡率は同じか高くなる、つまりU字型の関係があります。

飲酒量と全死亡率との間には、少量飲む人の全死亡率はもっとも低く、酒量が増えるにつれその率が高くなっていく、J字型の関係があります。<表1>と<図3>をご覧ください。

イラスト:循環器病 死亡率

まとめていうと、少量飲酒者は非飲酒者に比べ全体の循環器病や死亡が少なく、大量飲酒者では非飲酒者に比べて全死亡が多くなるのです。

また、飲酒者全体と非飲酒者全体を比較した米国の大規模な研究では、飲酒者のほうが死亡率はやや低いことが示されています<図4>。

図4 飲酒、喫煙習慣の有無と全死亡率
図4:飲酒、喫煙習慣の有無と全死亡率
(Thun et al, N Engl J Med 1997より)

7)飲酒についてのガイドライン

欧米や日本の主な高血圧管理のガイドライン(指針)は、飲酒は男性でエタノールにして1日30ミリ・リットル程度まで、女性ではその半分までの量に制限することを勧めています<表2>。

表2 主な高血圧治療ガイドラインにおける飲酒と喫煙についての勧告
表2:主な高血圧治療ガイドラインにおける飲酒と喫煙についての勧告

エタノール30ミリ・リットルはビール1本、日本酒1合、ワイン2杯にほぼ相当します。アルコールは、24時間測定した血圧への影響は小さいのですが、すでに説明しましたように、日中の血圧を上げ、治療抵抗性高血圧の原因となります。また、循環器疾患には、少量では好ましい影響を、大量では悪影響を及ぼしますので、ガイドラインに盛り込まれた量は妥当であるといえます。

まとめると、大量飲酒は望ましくありませんが、少量の飲酒は特殊な場合を除いては問題ありません。医学的には1日にワイン1杯程度が健康維持に最も効果的でしょう。

たばこと循環器病

たばこにはニコチンやタール、一酸化炭素など多くの有害物質が含まれています<図5>。喫煙も多くの循環器病に関係しますが、アルコールとは異なり、よい影響はなく、悪いことばかりです<表1>。

図5 たばこの煙に含まれる有害物質
図5:たばこの煙に含まれる有害物質
(日本心臓財団 禁煙のすすめ2009より)

1)高血圧

集団を対象とした、ほとんどの研究報告では、喫煙は高血圧の危険因子にはなっていません。しかし、たばこを1本吸うごとに血圧は上がり、心拍数は増加します<図6>。ニコチンの作用で交感神経の活動が高まるのが、血圧の上がる主な理由です。

図6 健常者における喫煙の血圧、心拍数への急性効果
図6:健常者における喫煙の血圧、心拍数への急性効果
(Groppelli et al, J Hypertens 1992より)

24時間、血圧測定した研究で、喫煙者は非喫煙者に比べ、また喫煙日は非喫煙日に比べ、日中および24時間の血圧が高いという結果になりました。また、腎血管性高血圧や悪性高血圧といった重症の高血圧は、喫煙者に多いことが知られています。

集団を対象として病気の原因などを探る疫学研究で、喫煙と高血圧の関係が明らかでないのは、検診の直前にはたばこを吸わないことや、喫煙者に肥満が少ないことが関係しているようです。

2)動脈硬化

喫煙の心臓、血管への影響には、ニコチンや一酸化炭素、種々の酸化物質などが関係しています。

喫煙は血圧や心臓への影響だけでなく、血管の内皮細胞を傷め、血液凝固を促します。また、善玉のHDLコレステロールを減少させ、悪玉のLDLコレステロールを増加させます。

このようにたばこは動脈硬化を進めるように働き、実際に喫煙者は動脈硬化がより強いことがわかっています。

3)心臓病

喫煙は心筋梗塞、狭心症のような虚血性心疾患の主な危険因子の一つです。例えば、米マサチューセッツ州フラミンガムで60年にわたり続けられている住民健康調査(フラミンガム研究)では、喫煙者の心筋梗塞の危険性は非喫煙者の2~3倍となっています。

わが国の研究でも喫煙習慣が心筋梗塞に強く関係し、ヘビースモーカーでは特に危険性が高いことが明らかです<表1、図7>。

しかし、禁煙すればこの危険性は大幅に低下し、吸わない人の数値に近づくようになります。また外国では公共の場所での喫煙が禁止されるようになって、心筋梗塞が減少したことが報告されています。

たばこは不整脈にも悪影響を及ぼします。喫煙と心不全との関係はあまり明らかではありませんが、虚血性心疾患が心不全の大きな原因の一つですから、やはり悪影響を及ぼすと考えていいでしょう。

図7 喫煙習慣が心筋梗塞死亡におよぼす影響
図7:喫煙習慣が心筋梗塞死亡におよぼす影響
(Ueshima et al, Stroke 2004より)

4)脳卒中*

喫煙は脳卒中にも悪影響を与えます。喫煙によって脳卒中の危険性が1.5倍に、脳梗塞のリスクは約2倍に高まることが、いくつかの研究報告をまとめて分析するメタ解析でわかっています。

くも膜下出血も喫煙者に多いことが報告されています。これらのリスクは、たばこの本数が増えるほど大きくなります<表1>。

*(1) 脳梗塞 (2) 出血 (3) くも膜下出血の3つの病型をまとめて脳卒中と呼びます

5)末梢動脈疾患

たばこは閉塞性動脈硬化症にも強く関係しています。喫煙によって動脈硬化が進むからです<表1>。さらに、手や足の先の動脈の炎症で血流が悪くなるバージャー病という病気にも、喫煙が強く関係しています。

6)心血管死亡率と全死亡率

喫煙は多くの循環器病に関係し、その危険性はたばこの本数や喫煙の年数が多いほど高くなります<表1>。長期喫煙者は循環器病、がん、および全体の死亡率が非喫煙者の約2倍となっています。

本人はたばこを吸わなくても、周りのスモーカーの煙を吸い込む受動喫煙(間接喫煙)によっても、循環器病やがんになるリスクが高まります。一方、禁煙すれば、これらのリスクが大幅に減少することも明らかです。

7)喫煙についてのガイドライン

すべての高血圧管理・治療のガイドライン(指針)は、禁煙するよう強く求めています<表2>。これは主に、血圧を下げることよりも、動脈硬化を抑えて、循環器病のリスクを軽減するためですが、高血圧の人に限らずすべての人に喫煙は望ましいことではありません。

ただし、禁煙により食欲が出て体重が増えることが多いので、こちらのコントロールにも注意が必要です。

長期喫煙者は、たばこが手放せない「ニコチン依存」になっており、禁煙はなかなか難しいかも知れません。しかし、何十年も吸っていた人も、やめれば禁煙による健康への利益は十分にあります。禁煙の具体的な方法は、この「循環器病あれこれ」シリーズの別のページをご参照ください(65号「まだたばこを吸っているあなたへ」)。

イラスト:カギをかけて閉じ込める

コーヒー、茶、ココアはどうか

コーヒーや茶(ティー)、ココア(チョコレート)もいろいろな物質を含んでいます。これらはカフェインのほか、動脈硬化を予防すると考えられるポリフェノールも多く含んでいます。

循環器病の予防や治療に、コーヒー、茶、ココアなどがどう影響するかについて、ガイドラインにはあまり触れられていませんが、全体的にはコーヒー、茶、ココアとも、いくらか良い影響が期待できるようです<表3>。 ただし、これらの影響はたばこやアルコールほど明らかではないことを覚えておいてください。

表3 コーヒー、茶(ティー)、ココア(チョコレート)の生活習慣病や循環器への影響
表3:コーヒー、茶(ティー)、ココア(チョコレ ート)の生活習慣病や循環器への影響

1)コーヒーの場合

コーヒーを飲むと、血圧は一時的に少し上がります。これは主にカフェインが交感神経を刺激するためです<図8>。1杯で収縮期血圧は約10mmHg上昇し、その状態が続くのは通常1時間以内です。繰り返し摂取すると、身体に慣れ(耐性)が生じ、血圧の変化は小さくなります。

図8 健常者におけるカフェイン の血圧への急性効果
図8:健常者におけるカフェイン の血圧への急性効果
(Corti et al, Circulation 2002より)

コーヒーと高血圧の関係について、集団を対象とした研究(疫学研究)では、コーヒーを飲む人に「高血圧が多い」「いや、少ない」「関係なし」などの報告があり、はっきりしていません。

コーヒーを飲んでもらい、血圧への効果を調べた研究結果も、まちまちですが、いくつかの研究結果をまとめて解析(メタ解析)すると、平均1日5杯、8週間の摂取で、軽度ながら(収縮期2.4mmHg、拡張期1.2mmHg)血圧が上がることがわかりました。24時間血圧を調べた研究でも、軽度の血圧上昇が認められています。

コーヒーと循環器病との関係も明確ではありません。循環器病のうち虚血性心疾患との関係を調べた研究では、「リスクを高める」「関係なし」などの報告があり、はっきりしません。しかし最近、コーヒーの摂取量が多いほど、脳梗塞は少ないことが示されています<図9>。

図9 コーヒー摂取量と脳梗塞の関係
図9:コーヒー摂取量と脳梗塞の関係
(Larsson et al, Stroke 2009より)

コーヒーには数千種の成分が含まれており、クロロゲン酸などのポリフェノールが動脈硬化の抑制に働く可能性があります。

脂質代謝については、コーヒーがコレステロールを軽度上昇させることが報告されていますが、悪玉のLDLコレステロールの酸化を抑えることも認められています。

糖代謝については、コーヒー常飲者は糖尿病になりにくいことがわかっています。循環器病全体や全死亡率についても、コーヒーを飲む人はやや少ないようです。

コーヒーというと、何となく体に悪いような印象をお持ちかもしれませんが、少なくとも循環器病にはあまり害はなく、むしろよい影響が期待できるようです。

2)お茶や紅茶はどうか

緑茶や紅茶もコーヒー同様、飲むと間もなく血圧を上昇させます。その程度はカフェインだけの場合より大きいという報告があります。

茶と高血圧との関係はどうでしょうか。茶を多く飲む人は高血圧になりにくいという報告もありますが、いくつかの研究をまとめて分析すると、茶の摂取による血圧の変化は認められませんでした。

茶の常飲者は糖尿病になりにくいことや、動脈硬化が軽いことが報告されています。カテキンなど茶に含まれるポリフェノールが、動脈硬化を抑えるように働くためと考えられます。

いくつかの研究は、茶に虚血性心疾患の予防効果があることを示唆しています。脳卒中についても、多くの研究を解析した結果、茶をよく飲む人は、飲まない人に比べ脳卒中が約2割少ないと報告されています。

また、循環器病死亡率や全死亡率についても、茶を飲む人は飲まない人に比べて低いことが示唆されています。

まとめますと、茶を飲むことは、循環器病にはよい影響があるといえます。この効果は緑茶、紅茶、ウーロン茶のいずれにも期待できるようです。

3)ココアとチョコレート

ココア(チョコレートドリンクとも言います)やチョコレートも、血圧や血管、循環器病に影響することがわかってきました。

ココアの血圧への影響を調べた研究がいくつかありますが、それらをまとめて解析すると、ココア摂取によって血圧は平均して収縮期には4.7mmHg、拡張期に2.8mmHg下がっています。

また、カカオを多く含むダークチョコレートと、カカオを含まないホワイトチョコレートを比べた研究では、ダークチョコレートは血圧を下げ、ホワイトチョコレートは効果がなかったことが報告されています。

ココアやチョコレートはプロシアニディンなどのポリフェノールを豊富に含んでいます。ココアの摂取により血管の機能がよくなることが示されていますし、動脈硬化にもよい影響があると考えられます。

循環器病との関係については、チョコレートをよく食べる人は循環器病の死亡率が低いことが観察されています<表3>。この影響はダークチョコレートで強く、ミルクチョコレートでは弱いようです。

したがって、ココアやチョコレートにも循環器病の予防効果が期待できそうですね。ただし、チョコレートはカロリーが多いので、くれぐれも食べ過ぎには注意してください。

おわりに

アルコール、たばこ、コーヒー、茶、ココアとチョコレートの循環器病への影響について説明しました。

これらの作用はかなり異なっており、アルコールは少量では良い影響があり、大量では悪影響が強くなります。たばこは良い影響がまったく認められず、動脈硬化性の循環器病の大きな原因となります。コーヒー、茶、ココアとチョコレートは、悪影響はあまりなく、いくらかよい影響が期待できるようです。

循環器病の予防や管理にあたって、これらの嗜好品について正しく理解し、正しい知識を持つことが重要です。

医学的には、たばこを吸わず、お酒を少し飲み、コーヒーや茶、ココアを飲むのが、最も健康的といえるでしょう。これが嗜好品との上手な付き合い方なのです。

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