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[77] 安全・安心の医療をめざして

「知っておきたい循環器病あれこれ」は、「公益財団法人 循環器病研究振興財団」が循環器病に関する最新情報を分かりやすく解説した発行物を、国立循環器病研究センターが許可を得てHTML化したものです。
文章・図表・イラスト等の転載・引用のご相談は循環器病研究振興財団までご連絡ください。

国立循環器病研究センター
元医療安全推進室 医療安全管理者 高田 幸千子
感染対策室 感染管理認定看護師 牧内 優子

患者さんも一緒に取り組みましょう
挿絵 もくじ

もくじ

"よい病院"のキーワード ― 安全・安心の医療

最近「医療の質」や「安全」という言葉をお聞きになるのではないでしょうか。よい病院に欠かせない医療の質の向上や安全対策 ― このページでは、私たちのセンターがどのように取り組んでいるかを紹介いたします。医療関係者以外の方にはなじみのないことかもしれませんが、病院を支える重要な役割であることを、知っていただければと思います。

感染対策・医療安全事始め ― 三つのエピソード

感染対策と医療安全が医療関係者の間で認知されるまでには長い道のりがありました。先駆者たちは、賞賛よりも非難・中傷を受けねばなりませんでした。主役を演じた3人の医師<写真>のエピソードからお話しします。

伝染病や感染症が細菌によって起こることがよくわかっていない1850年ごろ、ウィーンのゼンメルワイス医師は、患者さんの観察から、産褥熱(さんじょくねつ:お産後の細菌感染症で、抗生物質のない当時は致死的な病気)が、分娩を介助する医師の汚れた手を介してうつることに気づきました。そこで手をよく洗って消毒液に浸ける方法を採り入れて病院の死亡率を激減させたのです。ところがこの成果はウィーン医学会には受け入れられません。悪意に満ちた攻撃を受けて、彼は失意のうちにブダペストに戻り、最後は産褥熱と同じ重症の細菌感染である敗血症(はいけつしょう)で、自身も亡くなっています。

英国のリスター教授は、手術時の患者消毒の提唱者で、患者さんに消毒薬(石炭酸)をふりかける方法を1867年に発表しています。これも最初は無関心や敵意で迎えられたのですが、ゼンメルワイス医師の時代と比べると、細菌学の研究が進んでいたこともあって、まずヨーロッパで、次いで米国でしだいに受け入れられていきました。

米国の外科医コッドマンは、手術の1年後までの患者さんの状態を調べて病院の成果として公表すること、そして残念な結果についてはその結果を診療の改善に役立てることを提唱し、自ら病院を設立してこれを実践しました。1910年には米国外科学会に「病院標準化委員会」を創設し、その議長となっています。ところが現在では当たり前のこの考えは当時の医学会には全く受け入れられず、逆に怒りを買って、彼の病院は閉鎖に追い込まれました。

写真 感染対策と医療安全に貢献した3人の医師、ゼンメルワイス、リスター、コッドマン
写真 感染対策と医療安全に貢献した3人の医師

国立循環器病センターでは

「感染対策」や「医療の質の向上と安全」の考え方は、医療者にとってしごく当たり前のことでも、それが広く受け入れられるまでには、3人の医師のエピソードのように、実は非常に長い時間がかかったのです。

国立循環器病センター(以後「センター」と記載)はこの課題にどう取り組んできたのでしょうか。医療の安全対策は、1991年に医療事故防止対策委員会が設置されたのが本格的な始まりです。その後、「医療安全推進室」が開設されました。「感染対策室」の設置は1998年です。これによって「感染対策室」と「医療安全推進室」を中心とした病院全体の安全対策の活動が始まりました。

それでは、安全・安心の医療を受けていただくためのセンターの取り組みの一部を紹介いたしましょう。

診療の基本スタンス ― "患者さんとともに"

医療のパートナーシップ

患者さんと医療者が、情報と責任を共有して意思決定を行い、「一緒になって治療に取り組む」こと ―。私達はこのような患者さんとのつながりを"パートナーシップ"と言っています。これは、安全・安心の医療の基本でもあります。その第一歩は、診療の内容を患者さんに正しく理解していただくことです。そのためには、疑問や不安があればすぐに医師や看護師に率直に伝えてください。患者さんが、主体的に医療に参加いただくことが"パートナーシップ"には欠かせません。

患者さんの権利とセンターの基本方針

センターの医療の基本的な考え方、患者さんの権利とお願いしたいことを<図1>に示しています。病院のいろいろな場所に掲示されているので、ご覧になった方も多いと思います。

特に安全・安心の医療については、「基本方針」の2に「透明性と高い倫理性に基づいた安全で質の高い医療を実現します」と書かれています。

図1 国立循環器病センターの理念と基本方針
【国立循環器病センター理念】

私たちは、国民の健康と幸福のため、高度専門医療研究センターとして循環器疾患の究明と制圧に挑みます。

【基本方針】
  1. 循環器病のモデル医療や世界の先端に立つ高度先駆的医療を提供します。
  2. 透明性と高い倫理性に基づいた安全で質の高い医療を実現します。
  3. 研究所と病院が一体となって循環器病の最先端の研究を推進します。
  4. 循環器病医療にかかわるさまざまな専門家とリーダーを育成します。
  5. 全職員が誇りとやりがいを持って働ける環境づくりを実践します。
【医療の基本】

私たちは、患者さんと医療者が情報と責任を共有して意思決定を行い、一緒になって、診断・治療に取り組むことが、医療の基本と考えています。
このような「患者さんと医療者のパートナーシップ」の下で最善の医療を実践していきます。


【医療を受けられる方の権利】
  • 安全で良質な医療を受けられます。
  • 納得のいく説明と十分な情報が受けられます。
  • 個人の情報は尊重され守られます。
  • 自らの意思で検査・治療を選択あるいは拒否ができます。
  • セカンドオピニオンを求めることができます。
  • 診療録の開示を求めることができます。

【医療を受けられる方へのお願い】
  • 病気についての正確な情報を医療者に伝えてください。
  • 快適な医療環境を保つために病院の規則をお守りください。
  • 病院における研修・教育・研究にご理解・ご協力ください。
(平成22年改定)

患者さんの視点に立った医療

インフォームド・コンセント

『インフォームド・コンセント』という言葉もよくお聞きになると思います。

『インフォームド・コンセント』は、診療をすることの前提と位置づけられ、治療・検査・処置・看護ケアなど医療のすべての場面で行われる、非常に重要なものです。患者さんやご家族と医療者が病気の理解を共通にして『一緒になって医療に取り組む』その第一歩だからです。

『インフォームド・コンセント』の意味は、information(情報)の提示と、説明を受けたうえでのconsent(同意・承諾)です。単純に「伝えました」、「はい、聞きました」ではありません。『インフォームド・コンセント』で重要なことは、"医療者の説明と相互の対話によって、患者さんが自分の受ける医療について理解・納得する"ことなのです。"理解・納得する"ためには、患者さんと医療者の『対話』が必要です。この『対話』こそが、意味のある『インフォームド・コンセント』につながるのです。疑問や質問は、遠慮しないで医師や看護師らにおたずねください。

医学や医療についての説明は専門的になりがちで、わかりにくい、と感じられることも多いと思います。私たちは、患者さんやご家族の"理解"を深めるための"対話"促進のために、次のようなことを心がけています。

  1. わかりやすい説明文書を使って、わかりやすく説明する
  2. 必要に応じて、何度も説明する
  3. 説明から同意まで時間を惜しまない

また、医師が病気の説明をする時には、次の事柄を述べるようにしています。

  1. 病気の名前・病気の状態
  2. これから行う医療の目的・内容・必要性・有効性
  3. これから行う医療に伴うリスクとその確率
  4. これから行う検査や治療以外に考えられる事柄とそのリスク
  5. 全く医療を受けなかった場合に予想される結果

情報の提供はほかにもあります

患者さんが主体的に医療に参加するためには、医療者から提供された診療情報を、十分に理解することが必要です。

ここでいう診療情報には、すべての入院患者さんにお渡ししている、診療チーム・入院の目的・検査や治療の予定・入院予定期間などを記した『入院診療計画書』<図2>、お薬の名前や作用・副作用などを記した説明書、いろいろな検査の結果、治療の時間的な流れを一覧表にした患者さん用クリニカルパスなどがあります。

これらの情報をご覧になると、いろいろな疑問がわいてくると思います。医師や看護師任せでなく、ご自分の病気の理解や治療の進め方について、医療者と十分に『対話』を行い、受ける医療の選択・決定に関わっていただきたいと思います。

図2 入院診療計画書(入院1週間以内に医師または看護師から手渡されます)
図2 入院診療計画書

病気のことをさらによく知っていただくために

ご自身の病気やこれからの注意点などをよく知っていただくために、センターでは<図3>のようなさまざまな取り組みや工夫を行っています。

図3 院内教室や指導など
図3 院内教室や指導など

安心の医療

入院生活について

入院にあたっては、さまざまな心配、不安があると思います。通常、病院では、入院を申し込まれる時に必要なことがらを記載した"しおり"をお渡ししています。入院の前に必ずご家族と共にお読みになり、不明な点があればお問い合わせください。

また、多くの病院で実施していることですが、入院時には、転倒の危険度や、褥瘡(じょくそう:いわゆる"床ずれ")の有無と危険度、栄養状態などの分析・評価を行って、一人一人の患者さんの特徴の把握に努めています。

安心の医療を行うために、ぜひ患者さんやご家族にご協力いただきたいことがあります。それは、今までの治療歴・服薬歴・お薬や食事、金属などのアレルギーの有無・ご家庭での生活の様子などの情報を医療者に教えていただきたいということです。これらの情報は、安全で的確な医療の実施にも欠かせない大切な事柄です。

入院生活には、とまどいと不安がつきものですが、病院職員は患者さんの安心を高めるために、以上のような取り組みを行っています。きっと入院の不安も吹きとぶのではないかと期待しています。

患者さんの相談窓口

病気になると社会的・経済的・心理的なさまざまの不安が生じます。多くの病院では、患者さんの視点に立った医療を行うために「相談窓口」を設け、患者さんからのご相談をお受けしています。「相談窓口」では、診療内容に関する事柄以外に、病院に対するご意見やご要望もうかがい、その内容に応じて医師・事務・ソーシャルワーカーや医療安全管理者などが対応いたします。

ご相談・ご要望などは、個々の病院によっても異なりますが、「意見箱」や手紙、電話、メールでもお伺いできます。患者さんと医療者の『対話』を促進するためにも、「相談窓口」などをご活用ください。

なお、相談に来られた患者さんの個人情報は尊重して扱われますので、診療に不利益となることはありません。お気軽にご相談ください。

安全の医療

「医療のパートナーシップ」のところでも述べましたように、医療の質と安全性を高めるためにも、患者さんと医療者のパートナーシップと、患者さんの医療への参加が欠かせません。

多くの病院は、安全な医療を行うために、病院長や副院長の直轄で感染対策と医療安全を管理する体制を作り、病院一丸となってこれに取り組んでいます。国立循環器病センターの例をお示しします<図4>。

図4 国立循環器病センターの医療安全・感染対策の体制
図4 国立循環器病センターの医療安全・感染対策の体制

医療安全

1.医療安全推進室の取り組み

医療の安全の確保は、今日の医療現場の中で最も重要な課題の一つです。私たち医療関係者は、常に良質で最も適切な医療の提供を考えています。しかし、医療行為には副作用が起こり得るという危険(リスク)を伴っています。また病気の程度によっては、結果の保証ができない一面があることも事実です。このような状況の中、医療安全の確保のためには、患者さんと医療者それぞれが協力・共同して診療に取り組むことが大切です。同時に、病院も全組織をあげて安全と安心の確保に全力を尽くしているということも知っていただきたいのです。

病院の安全を確保するための重要な取り組みの一つは、病院内で発生したいわゆる"間違い"や"問題"の情報を収集・分析し、再発防止を図ることです。また、医療安全に関する職員研修の実施、患者相談窓口との連携も大きな役割です。

センターの医療安全の本拠地は『医療安全推進室』です。ここに医療安全活動の専任医療安全管理者が常駐し、職員にとどまらず、患者さん、患者さんのご家族との対話や事故の調査・分析を行っています。

医療安全推進室員は、医師・薬剤師・放射線技師・検査技師・臨床工学技士・看護師・事務官の多職種メンバーで構成され、"患者さんの安全を守る"を合言葉にした連携の良いチームです<図5>。

図5 医療安全推進室の室員
図5 医療安全推進室の室員

センターの医療安全の活動を通してしばしば経験するケースは"薬に関すること""点滴などのライン・チューブに関すること""患者さんの転倒"です。近年、お薬に関しては、「持参薬」や「後発薬品(ジェネリック)」に関連する問題が増えてきています。お薬の種類は多く、病院によってそろえているお薬が違います。また、患者さんの体質などで『合わないお薬』もありますので、「お薬手帳」などをお持ちの患者さんは、診察時に医師や薬剤師に見せていただくようお願いいたします。

多くの病院では、いわゆる"間違い"を起こさないために、ダブルチェック確認の実施、患者さんのフルネーム呼称の実施、点滴ラインなどの固定方法の工夫を行うと同時に実施状況の確認も併せて行っています。

患者さんにご協力いただきたい医療安全活動は、特に『フルネームでの患者確認』と、『転倒防止』です。

挿絵 医療安全
2.患者さんのとり違えと転倒の防止

『患者さんとり違え防止』は、医療安全の最も大きなテーマの一つで、全国の病院でさまざまな取り組みが実施されています。センターでは、毎年"患者誤認防止キャンペーン"を実施しています。2009年7月には、『フルネーム呼称強化月間』を設けました。<図6>は、その際の院内掲示ポスターです。

フルネーム呼称強化月間中に「患者確認の必要性」について、入院と外来の患者さん231名にお聞きしたところ、ほとんどの方が、フルネームでの患者確認が大切であると感じておられました。

対象となる患者さんに医療行為を正しく行うための確認として(1)お名前を名乗っていただく(2)フルネームでの確認(3)生年月日の確認、といった作業が必要となりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

次に、患者さんの『転倒防止』についてです。

健康な人も、若い人も、誰でもつまずいたり、転んだりしたことがあると思います。入院すると身体活動量が減りますので、筋力の低下や体位を変えた時のバランスのとり方が下手になります。今まで転倒したことのない方でも、病院という慣れない環境ということもあって転倒しやすくなります。

入院中の事例を調べてみると、スリッパ(滑りやすい・脱げやすい・歩きにくい)・「頼むのは申し訳ない・忙しそう」という医療者への遠慮・「これくらいできるだろう」というご自身の身体能力の過信が、転倒につながっています。

そこで(1)医師に指示された安静度を守る(2)ねまきの裾は引きずらないように工夫する(3)スリッパはやめて足底がゴムの滑らないクツにする、などの注意点をぜひお守りください。

図6 フルネーム確認キャンペーンの院内掲示ポスター
 図6 フルネーム確認キャンペーンの院内掲示ポスター
 挿絵 感染対策

感染対策

1.感染対策室の取り組み

センターでは、院内の感染管理を徹底するために『感染対策室』を設置しています。感染対策室の目的は、院内での感染症の発症を抑えることです。感染症が発症した場合は、医師や看護師などに協力を要請し、感染が拡がらないようにさまざまな対策を実施します。

感染管理のチームは、感染管理を専門とする認定医師(感染管理医)、感染制御認定薬剤師、検査技師、感染管理認定看護師を中心に構成され、感染に関する相談への対応、抗菌剤の管理・運用、週1回の病棟回診を行っています。また、職員に対する教育研修や手洗いの実地指導を定期的にしています。

院外の活動としては、市民公開講座などで感染防止(インフルエンザの予防など)の講義や手洗い演習などを行っています。

入院中の患者さんは、病気が重症であるほど感染に対する抵抗力が低下しており、そのうえ、治療として点滴、人工呼吸器の装着、手術など体に負担の大きい処置・治療が行われます。抵抗力低下による易感染(いかんせん)状態(感染しやすい状態)は、糖尿病や免疫抑制剤の内服などによっても起こります。

ですから、患者さんが感染症を発症しないように、医療従事者は、手を洗う、手袋をつける、マスクをつけるなど、感染防止に効果があるあらゆる対策を国内外のガイドラインにのっとり実施しています。

2.まずは手洗いから

感染対策の基本は手洗いです。私たちは手を正しく洗えているかどうかを確かめるため、手に蛍光剤をつけて紫外光で照らしチェックしています。

手洗いにはせっけんと流水で「手を洗う」方法と、"速乾性擦式(さっしき)手指消毒剤"というアルコールを含んだ液体やジェルを手に擦(す)り込み「手を消毒する」方法の2種類があります。

図7 標準的な手洗いの手順
図7 標準的な手洗いの手順

<図7>が手をせっけんと流水で洗う場合の標準の手順で、時間は30秒が目安です。これに対して、消毒剤の擦り込みは十分量をまんべんなく擦り込み(時間は15秒が目安)、乾燥させます。ただし、速乾性擦式手指消毒剤を使用する場合は、手がすでに目に見えるほど汚れていては消毒効果がないので、まず手の汚れを落としてから使用しなければなりません。また、ノロウイルスのようにアルコールでは死なないウイルスなどの場合もありますので、「手洗い」と「消毒」は適切な使い分けが必要です。

ご自宅での手洗いはせっけんと流水で結構です。30秒間手を泡で洗ってください。消毒剤と同じ効果があります。せっけんと流水による手洗いの効果を<図8>に示します。ちょっとしたことですが、十分、効果のあることがおわかりいただけると思います。

私たちは、手を洗ったあとはペーパータオルで手を拭いています。タオルを共用すると感染が拡がってしまうからです。ご自宅では清潔なタオルで拭くことでよいのですが、ご家族内にインフルエンザや"はやり眼(流行性角結膜炎(かくけつまくえん))"など感染症を発症している方がおられる場合は、タオルは共用しないでください。

図8 せっけんと流水による手洗いの効果
図8 せっけんと流水による手洗いの効果

多職種チームのこまやかな診療支援

1.褥瘡対策

脳卒中などで長い間、寝たきりになると、おしりなどに『床ずれ』ができてきます。この『床ずれ』を、医学用語では褥瘡(じょくそう)と呼んでいます。褥瘡のメカニズムは、からだの一定の場所に一定以上の力が加わることによって血液の循環が悪くなり、皮膚や深部組織に損傷(きず)を生じることによってできます。この褥瘡の発生や進展には、長時間の手術、身体活動の制限、まひなどが危険因子となっています。

当センターでは、すべての入院患者さんに対して、『褥瘡対策に関する診療計画書』を作成し、それぞれの病気の特徴から危険因子の有無を判断しています。

万が一、褥瘡が生じたときには、褥瘡対策チーム(医師、皮膚・排泄認定看護師、薬剤師などで構成)が、一人一人の患者さんにピッタリの治療計画をたてて、主治医や病棟の看護師と共に治療にあたります。

2.栄養サポート

栄養管理はすべての病気の治療に共通する最も基本的な医療行為です。適切な栄養管理がなされていなければ、どんな治療法も効果がありません。逆に不適切な栄養療法は大きなリスクとなります。

栄養サポートチーム(NST)は、栄養管理が必要な患者さんにとって、栄養をとっていただく一番良い方法は何かを指示し、診療担当の医師や看護師を支援するチームです。

このチームは医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などで構成されていて、食事の摂取量や栄養価などを分析・評価し、どのような栄養管理(必要量、栄養価、調理法など)が必要かを指示しています。チームによる毎週の病床回診も大切な仕事です。

3.嚥下訓練

脳卒中を起こした患者さんの約75%に、程度はさまざまですが、嚥下(えんげ)障害をきたす、という研究結果があります。センターでは、嚥下障害のある患者さんが安全に栄養摂取できるように、医師・看護師・栄養士・言語聴覚士の多職種が嚥下チームを組み、定期的に嚥下機能を評価、日々の摂食訓練を行い、嚥下回診も週1回実施しています。医師は、嚥下機能の評価・治療方針の決定・栄養状態の把握を行い、看護師は嚥下機能の評価と日常の観察・ケアを担当します。栄養士は食事形態の工夫・栄養手段のアドバイス・栄養バランスの教育を、言語聴覚士はリハビリテーション・患者さんやご家族の教育を行っています。

まとめ ― 病院の安全と豊かな入院生活のために

「患者さんの自己決定権」が何よりも尊重されるというのが医療の基本です。私たちは、患者さんとご家族が安心して治療に取り組んでいただけるように、パートナーシップをより豊かなものにしながら、安全で的確な医療を実施します。不安なこと、心配なこと、疑問などがありましたら、遠慮なく医療者にお声をかけてください。

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