心不全
1. 心不全とは
心臓のポンプの働きが(何らかの原因で)弱くなり、全身へきれいな血液を上手に送れない状態です。末梢(足)などに水が貯まります。これにより種々の症状がでてきます。
2. 心不全を起こす原因となる病気
| 1) 虚血性心疾患 | ・狭心症 ・心筋梗塞 |
| 2) 心臓の弁の病気 |
・僧帽弁狭窄症 ・僧帽弁閉鎖不全症 ・大動脈弁狭窄症 ・大動脈弁閉鎖不全症 ・三尖弁狭窄症・三尖弁閉鎖不全症 ・肺動脈弁狭窄症・肺動脈弁閉鎖不全症 |
| 3) 心筋症 | ・肥大型 ・拡張型 |
| 4) 高血圧性の病気 | ・腎性高血圧など |
3. 心不全の症状
(1)尿量が減る、体重が増える
心臓のポンプの働きが弱くなり全身の血液のめぐりが悪くなって腎臓で尿が作られにくくなって、尿の量が少なくなり、そのため出なくなった尿が体の中に水として貯まって体重が増えるのです。
例えば・・1000ml飲んだ水分が600mlしか出なかったとしたら残りの400mlが体の中に貯まることになります。
→体重が増えることになります。
(2)むくみ
血液のめぐりが悪くなって水分が体に貯まると、特に足・手・顔にむくみが現れます。足のすねを指で押さえると痕が残ってしまいます。
※鏡で顔が腫れていないか見ましょう。
(3)息切れ呼吸がしにくい
肺の中に水分が貯まり、うまく酸素の入れ替えができないため息苦しい症状です。ひどくなると、起坐呼吸といって座っていないと息が苦しい状態になります。
(4)消化器症状
胃・腸や肝臓からも血液が返りにくくなって粘膜にむくみが現れ、食欲低下、吐き気、消化不良、身体がだるい、肝臓のあたりが重いといった症状が現れます。
(5)咳
肺に水が貯まってしまって、うまく呼吸ができないために咳が出やすくなります。
(6)痰
肺に水が貯まってしまって、痰が出やすくなります。(痰の色は淡いピンクで泡状の痰)
4. 日常生活の留意点
(1)運動や労作について
自覚症状を目安にして、心臓に負担をかけるような運動や労作は避けましょう。
(2)水分制限について
水分の摂りすぎで心臓に負担をかけないようにしましょう。水分制限のある人は、飲料水量を測定し、制限範囲を守りましょう。
(3)塩分制限について
体の中に塩分が入りすぎると、体の中に水分が貯まり心臓に負担をかけ、むくみの原因の一つとなります。塩分を控えた食事を心がけましょう。
詳しくは"減塩について"をご参照下さい。
(4)体重測定について
毎日、同じ条件で体重測定をしましょう。(起床時、排尿後がよい)
(5)尿量、排尿回数について
いつもと同じくらいの量、または、回数がでているか毎日チェックしましょう。
(6)十分な睡眠と休養について
無理な運動や働き過ぎ、睡眠不足、精神的ストレスは心不全増悪のきっかけになります。過労を避け、十分な睡眠や休養をとるように心がけましょう。
(7)便通について
水分制限や利尿剤の内服などにより、便秘ぎみとなります。便秘による排便時の怒責は血圧を上昇させ、心臓への負担を増加させます。食物繊維、果物、牛乳、ヨーグルトなどをとり、規則正しい排便習慣をつけましょう。
(8)入浴について
風呂にはいるとき寒くないよう脱衣所や、洗い場を、暖かくしてから入浴しましょう。熱いお湯は、心臓に負担がかかり血圧も上がりますから、40度位のややぬるめのお湯に入り長湯をしないようにしましょう。入浴の30分前から浴槽のふたを開けておくと湯気で風呂全体を暖めるので良いです。
(9)寒さについて
暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。具体的には外出時、マスク、マフラー、手袋などで肌の露出部分を少なくする居間と浴室、便所の温度差が少ないよう暖房や着衣に気をつける。夏、冷房が効きすぎた部屋からそうでない所へ出る時にも血圧を上昇させるので、外気との温度差が5度以上にならないよう気をつけましょう。
(10)し好品について
少量のお酒なら精神的な緊張を和らげ、睡眠をとりやすくし、ストレス解消にも良いとされています。しかし、多量のアルコールは心臓の負担になり、動脈硬化を促します。
たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させるとともに、心臓を必要以上に働かせる作用をします。
(11)感染予防について
風邪をひかないようにしましょう。風邪などの呼吸器感染は、肺うっ血を起こし、発熱などで全身の代謝が進み、それにともなって心拍出量も増加し、心臓の負担になります。外出後はうがい、手洗いをしましょう。歯を抜くときは、担当医に相談して下さい。
(12)夫婦生活について
夫婦生活は、普通にしてかまいませんが、心臓に負担がかかることもあります。妊娠すると、普通の人でも身体の中の血液量が増え、心臓に負担のかかった状態になります。弁膜症を持つ妊婦では、それ以上に心臓にかかる負担が大きいため、心不全を起こしやすいので医師との充分な相談が必要です。
[更新日: 2009年10月10日]
