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脳血管疾患

睡眠中に起こる脳梗塞を治療する:医師主導型試験THAWS

治療が難しい睡眠中に起こる脳梗塞

最近、脳梗塞の有効な治療法が目覚ましく進歩しています。特に、脳梗塞が起こった直ぐ後(4.5時間以内)には血栓を溶かすアルテプラーゼ点滴療法(血栓溶解療法)が有効です。また、この治療が無効な場合や出来ない場合に、脳梗塞が起こって8時間以内であればカテーテルを使用した血管内治療を行う機会も増えています。しかし、睡眠中に起こるような脳梗塞(正確な発症時刻が不明)では、これらの有効な治療を行うことが難しいのが現状です。

実は睡眠中に起こる脳梗塞のように起こった時刻が明らかではない脳梗塞は稀でなく、おおよそ脳梗塞患者さん全体の2-3割を占めることがわかっています。一方で、起床時に脳梗塞の症状で気づかれる患者さんの多くは起床前1時間以内に脳梗塞を起こしていることを示す研究成果が多く報告されています。このような患者さんにおいては核磁気共鳴装置(MRI)のFLAIR画像で脳梗塞の変化がまだでていなければ脳梗塞が起こってから4.5時間以内である可能性が高いことが明らかになってきました。

豊田写真
主任研究者 豊田一則

そこで、平成26年から国立循環器病研究センター(主任研究者:豊田一則)が中心となり、全国の35施設と協力してこのようにFLAIR画像で脳梗塞の変化がまだでていない患者さんに対するアルテプラーゼ点滴療法の効果を判定する「睡眠中発症および発症時刻不明の脳梗塞患者に対する静注血栓溶解療法の有効性と安全性に関する臨床試験(THAWS試験)」を開始しました。この研究は製薬会社が主導するのではなく、私たち医師が主導して行っています。この試験の結果により血栓溶解療法の適応範囲が拡がり、より多くの患者さんがこの治療法の恩恵を受けることが最終的な目標です。アルテプラーゼ量が日本より1.5倍多いヨーロッパでもドイツを中心に同様のWAKE-UP試験が行われています。私たちはWAKE-UP試験グループとFLAIR画像を判断する基準を共有しながら試験を行っており、試験終了後にはデータを併せて統合解析することも予定しています。

参加36医療機関

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本試験の進捗状況などをホームページに掲載していますのでご参照下さい。













この記事に関連する部局
・国立循環器病研究センター病院 脳血管内科

最終更新日 2015年04月01日

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