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脳動脈瘤治療のための新医療機器

破裂するとくも膜下出血を引き起こし治療が非常に難しい大きなサイズの脳動脈瘤を、開頭手術することなく患者の負担を大幅に軽く治療するために、血管内治療用の新医療機器として「多孔化カバードステント」を開発しました。くも膜下出血は年間3万~4万人が発症し、3分の2が死亡するか重い後遺症が残ります。現在代表的な脳動脈瘤の治療法として、クリッピング術や(バイパス併用)母血管閉塞術、脳動脈瘤コイル塞栓術などがありますが、サイズが大きい場合、根治させることが非常に困難でした。


開発した多孔化カバードステント
バルーンカテーテルに装着して、患部でバルーンを拡張させることで、動脈瘤の入口にフタをする。0.02mmのポリウレタン薄膜に、0.1mmの六角形の微細孔が約30%で開口している。

国立循環器病研究センターは、平成23年度に早期・探索的臨床試験拠点整備事業に選定され、医療機器開発プロジェクト「MeDICIプロジェクト」において様々な医療機器の開発を支援してきました。本プロジェクトの支援の成果の一つとして、国循発のシーズを元に研究所の中山泰秀室長と病院の佐藤徹医長が中心になって世界に先駆けて開発したのが、この「多孔化カバードステント」です。ポリウレタン薄膜に覆われており、動脈瘤の入口にフタをすることで、周囲の血管の血流を維持したまま(特徴1:分枝開存性)、脳動脈瘤への血流のみを完全に止めて破裂を防ぎます(特徴2:動脈瘤塞栓性)。従来品よりもステントの内側に沿って血管が再生しやすい。柔軟性にも優れ、複雑に曲がった脳の血管内をスムーズに移動させられるのも特徴で(特徴3:血管内誘導性)、イヌやウサギによる実験で効果を確認しました。

内頚動脈や椎骨脳底動脈に7mm以上の未破裂脳動脈瘤があり、従来の方法では治療が難しい患者を対象として、平成28年から国立循環器病研究センターを中心に、神戸市民中央病院、順天堂大学医学部とともにfirst in human試験となる医師主導治験を実施いたします。2年間で12例の症例登録を予定しています。本治験により薬事申請・承認までのプロセスをスムーズに進めることができると期待され、新しいより良い治療法として早期に医療現場に提供することをめざしています。

関連プレスリリース
国循発の新規脳動脈瘤治療機器「多孔化カバードステント(NCVC-CS1)」の医師主導治験の開始(2016年5月6日)

この記事に関連する部局
・国立循環器病研究センター病院 脳神経外科
・国立循環器病研究センター研究所 生体医工学部

最終更新日 2016年08月18日

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